生きているうちに身の回りの財産や物を整理する「生前整理」。「終活」の一つとして、30代くらいの若い方から、高齢の方までが広く行うようになっています。
やったほうがいいとは聞くものの、まずは何をすればよいのか、いつ始めればよいのか分からず、お困りではありませんか?生前整理とはどのようなものか、始める時期や進め方、生前整理の負担を減らす方法について、600社以上の事例を踏まえてご紹介いたします。

- 【動画で解説!】生前整理のやり方、進め方はどうすればいい? まとめ
- 生前整理とは?
- 生前整理を行うメリット
- 生前整理はいつ行う?30代から始める方も
- 生前整理の進め方
- 1.生前整理のやり方 物の整理
- 2.生前整理のやり方 財産目録
- 3.生前整理のやり方 デジタル整理
- 4.生前整理のやり方 エンディングノート
- 5.生前整理のやり方 遺言書
- 生前整理について頼れる業者をご紹介
- 安くて評判の良い業者を探す方法
- 終わりに
【動画で解説!】生前整理のやり方、進め方はどうすればいい? まとめ
生前整理とは?
生前整理の意味
生前整理とは、財産関係の整理を含め、存命のうちに身の回りの物を整理することです。近頃定着しつつある「終活」の一環でもあります。単に自分の死を見据えた片付けではなく、今後の人生を明るく過ごすための前向きな片付けでもあるのです。
また、生前整理をしておくことで、家族が自分の死後に行う遺品整理の負担を減らすことにつながります。
作業は1人でもできますが、家族や業者に頼むとスムーズに整理をすることができます。
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老前整理・遺品整理とは?生前整理との違い
「生前整理」のほかにも、「終活」には似たものとして「老前整理」と「遺品整理」があります。以下では、それぞれの特徴と違いをご紹介します。
行う人 | 行う理由 | 行う内容 | 開始時期 | |
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生前整理 | 本人 | 死後に本人の希望を反映させるため・家族の負担を減らすため | 物や財産の整理、遺言の作成 | 20・30代~ |
老前整理 | 本人・家族 | 老後をより暮らしやすくするため・家族の負担を減らすため | 物や財産の整理、遺言の作成 | 40・50代~ |
遺品整理 | 遺族 | 故人の遺品を片付けるため | 故人の遺品の整理、相続手続き | 亡くなった後 |
生前整理と老前整理とよく似ていますが、老前整理は、老後の自分の生活をよりよくするために行うことが多いです。
生前整理を行うメリット
本人のメリット① 住みやすい環境ができる
生前整理をすることで、自分が生活する家を安心・安全な環境にできます。多くの時間を過ごす家の中で、足元や通路、高いところに物があると、怪我につながる危険があります。
生前整理をきっかけに、床に広がったものや、長年棚に積み重なってしまったものを整理してみましょう。
また、生前整理をすることで、どこにいったのか分からなくなっていた貴重品、重要書類や、人からもらった大切なもの、思い出の品が見つかることもあるでしょう。
このような物を改めて自分でしまうことで、「どこに何があるのか」を自分自身で把握できるようになり、今後の生活の助けとなります。
本人のメリット② 新たな人生のスタートを切れる
これまでの人生で積み重なった物や思い出はたくさんあることでしょう。それらを一旦整理することは、今後に向けた新たなスタートを切るきっかけにもなります。
「こんなこともあったな」「こんなことを頑張った時代もあったな」と人生を振り返ることで、今後自分がやりたいことや挑戦してみたいことが明確になるかもしれません。
ご家族のメリット① 遺族の負担を軽減できる
自分の死後、遺族は葬式の準備や財産の整理など、様々な手続きをしなければならなくなります。それに加えて遺品整理を行うとなると、より多くの時間が必要となってしまいます。仕事でなかなか時間をとることができないという遺族もいらっしゃるでしょう。
遺族の負担を減らすためにも、自分でできる範囲の生前整理をしておくと良いのです。
ご家族のメリット② 相続に関するトラブルが減る
相続をする家族が財産を亡くなった故人の財産がどこにどのくらいあるのかを認識するのが困難な場合があります。生前整理の中で財産関係を整理し、目録などを作成しておくことで、家族が相続する財産を把握する助けになります。
また、誰がどの財産を相続するのかをあらかじめ決めておくことで、相続トラブルを防ぐことができます。
生前整理はいつ行う?30代から始める方も
生前整理は早い時期から始めるのがおすすめです。還暦を迎えた60歳を一つの目安にするのも一つですし、50代のうちに始めておくのも良いです。また、近年は20代、30代といった若いうちから始める方もいます。
気力、判断能力が衰えていないうちに実施することで、安全でスムーズな片づけを行うことができます。
高齢になってから生前整理を行うと、体力の衰えから怪我をしてしまう場合や、判断能力が衰えてしまい遺言や財産・物の整理が大変になる、最後までできない場合があります。
早めに生前整理を行うことは、ご自身の意思を相続に反映させるために重要なことです。
生前整理の進め方
では、具体的には生前整理はどのように進めていけばよいのでしょうか。人によっても異なりますが、主な具体例は以下のものが挙げられます。
それぞれの詳しいやり方は以下で解説していきます。
1.生前整理のやり方 物の整理
生前整理の中でもモノを整理する際のポイントは、3つあります。①必要品・不用品の分別をする、②想い出の品の整理・③貴重品をまとめることです。以下ではこの3点それぞれの注意点やコツを説明いたします。
①必要品・不要品を仕分けする
必要なものと不要なもの(処分するもの)を仕分けしましょう。中には判断に迷ってしまうものもあると思うので「必要なもの」「不要なもの」の他に「保留用」の3つの箱を作っておくとよいです。
ここでのポイントは、「保留用」を多くせず、必要なものはなるべく少なくするということです。「保留用」は後日改めて仕分けをしなければいけないので、どうしても迷うものだけ「保留用」に入れるようにしましょう。
また、たとえば「2年着ていない服は処分する」「今使っていないものは処分する」といったように、自分なりに仕分けの判断基準を作って、判断していくのもおススメです。
また、分別が終わって出た多くの処分品は決められた方法に従って処分するようにしましょう。
②思い出の品を整理する
アルバム、お土産、賞状、文集、制服…思い出の品は数多く見つかることでしょう。仕分け時に迷う物の代表例でもあります。しかし全てをとっておくことは難しいです。そこで、「ダンボール2箱までにする」といった基準を作り残しておくようにしましょう。
大きすぎるものやかさばるものは、写真に撮っておく、ミニチュア化するサービスを利用してみるのも良いでしょう。アルバム等の整理方法は以下の記事にまとめています。ご参照ください
③貴重品はまとめておく
保険証書、通帳、印鑑など、重要な貴重品をまとめずにばらばらに置くと、何かあったときに本人やご家族が探すのが大変になってしまいます。
特に重要な書類などは、できるだけまとめておいて、必要な時に手続きができるようにしましょう。まとめておくべき貴重品・書類には以下のようなものがあります。
まとめておくべき貴重品や書類 |
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また、このような書類の所在は、以下で紹介する財産目録に記載するとよいでしょう。
2.生前整理のやり方 財産目録
財産目録とも呼ばれるリストを作成することで、家族間のトラブルを防ぎ、相続にかかる税金が必要かどうかが分かりやすくなります。
記載する財産はプラスのものだけでなくマイナスの財産も含まれます。次に挙げる記載項目を参考に、保管場所や額などを整理してみましょう。
プラスの財産 | マイナスの財産 |
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重要書類とともに所在と金額を明らかにしておくと、家族が財産を探し整理する手間が省かれます。特に相続人は、財産目録を基に短い期間で相続の判断をするため、生前整理で財産目録が作成されていれば、負担も大幅に軽くなります。
重要書類とともに所在と金額を明らかにしておくと、家族の探す手間が省かれます。また借金も相続の対象になるので忘れずに記載しておきましょう。
3.生前整理のやり方 デジタル整理
インターネット上の情報整理も忘れずに
意外と忘れてしまうのが、ネット証券やFX、SNSのアカウント、クレジットカード情報といったインターネット上の情報の整理です。
この整理を忘れてしまい「デジタル遺品」として放置されると、情報が悪用されるなど後々トラブルになることがあります。特に、財産にかかわるデジタル遺品には注意が必要です。
〈参考記事〉デジタル遺品とは?整理の方法や頼れる業者をご紹介!
【デジタル整理するべき情報】
・PC,スマホなどのパスワード
・ネット証券やFXなどのアカウント
・有料サービスのアカウント
・インターネットバンキング口座
・仮想通貨やスマホ決済サービスの情報
・ブログやホームページのログイン情報
・SNSアカウントのログイン情報や処理の希望
SNSアカウントについては自分が使っていないものの削除をして、自らの死後に遺族が対応に困らないように、アカウント、パスワードや処理の方法を以下で紹介するエンディングノートにまとめておきましょう。
4.生前整理のやり方 エンディングノート
エンディングノートとは、自身が亡くなったときのために、遺族に思いを伝えたり、亡くなったのちの行動指針を示すためのノートです。財産についてだけでなく、供用方法や葬儀内容、家族へのメッセージなど様々なことを記載します。
「遺言書」とは異なり、エンディングノートは法的な効力はありません。
しかし、自分が亡くなった後に遺族が行う様々な決めごとや手続きに対し、自分の意見を残すことができます。エンディングノートは書店で扱っており、記入する項目にも様々な種類があります。以下で主な内容の例をご紹介します。
エンディングノートの主な内容
自分自身のこと | 本籍地や保険証、免許証、マイナンバーなど |
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資産のこと | 預貯金や年金、資産など |
身の回りのこと | 携帯電話の契約解除、インターネットサービスのアカウント情報など |
親族のこと | 親族表や、葬儀に参列してほしい人など |
医療,介護のこと | 延命処置や介護の希望する内容など |
葬儀、納骨のこと | 希望する葬儀、納骨の方法など |
遺言のこと | 遺言書の有無や保管場所など |
自分史について
またエンディングノートはいわゆる「自分史」の記入ができるものもあります。自分史を書いてみることは、自分の人生を振り返り、残りの人生について考えるきっかけになります。
略歴や伝記のような形式など、ご自身の書きやすい形で過去を振り返って書いてみると良いでしょう。
5.生前整理のやり方 遺言書
「遺言書」とは、「遺書」のような故人の手紙とは異なり、法律に基づいた形式で「誰にどの財産を相続させるのか」を明確に記した書類のことです。
形式に基づいて作成された遺言があることで、遺言にしたがって遺産分割を行うことができ、後の相続トラブルを防ぐことができます。遺言書がない場合には、法定相続人間で遺産分割協議が行われます。
しかし親族以外(友人や内縁の妻)は法定相続人ではないため、このような人に相続させたい場合には遺言書が必要です。
遺言書は定められた形式でないと法的効力を持たないので、しっかりと形式を確認した上で作成しましょう。
生前整理について頼れる業者をご紹介
生前整理は自分でもできますし、家族の手を借りて行うこともできます。しかし、「体力的・時間的に厳しい」「まとめて家財や不用品を処分したい」という場合には業者に頼むのがおすすめです。以下ではデジタル製品や物の生前整理を依頼できる業者をご紹介します。
デジタル生前整理を依頼できる専門家
デジタルデータの整理や有料サービスの退会など、デジタル製品の生前整理を整理のやり方がわからない方や自分で行うのが難しい方向けに、デジタル生前整理を引き受けてくれる業者もあります。
遺品整理や生前整理を行っている業者がデジタル整理も請け負っていることもあります。その場合、ものの生前整理と一緒に依頼すると安くなることもあります。デジタル遺品・生前整理の業者には、以下のようなサービスを依頼できます。
【PCに関するサービス】 |
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【アカウント整理のサービス】 |
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【スマホに関するサービス】 |
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詳しくは以下の記事をご覧ください。
ものの整理を依頼できる専門家
「不用品を運んで欲しい」というだけなら不用品回収業者に依頼することも可能です。しかし当サイトでは、生前整理業者(生前整理も兼ねている遺品整理業者)への依頼をおすすめしております。
その理由は、不用品回収業者に比べて遺品整理業者の方がサービス内容もより広いですし、依頼人やご近所への配慮も行き届いているからです。両者のサービス内容を比較してみましょう。
遺品整理業者 | 不用品回収業者 | |
---|---|---|
作業目的 | 遺品の整理 | 不用品の回収 |
特徴 | 「作業対象=遺品」と認識 →物の扱いが丁寧 |
「作業対象=処分品」と認識 →物の扱いが雑になることも |
不用品の回収と処分 | ○ | ○ |
必要品と不用品の分別 | ○ | × |
貴重品の捜索 | ○ | × |
遺品の買取 | ○ | × |
遺品の供養・お焚き上げ | ○ | × |
無料の簡易清掃 | ○ | × |
ハウスクリーニング | ○ | × |
消臭作業 | ○ | × |
家屋の解体 | ○ | × |
車・バイクの買取処分 | ○ | × |
リフォーム | ○ | × |
不動産仲介・買取 | ○ | × |
相続の相談 | ○ | × |
※不動産仲介・買取や相続の相談は、提携している専門会社を紹介するという形をとっている場合もあります。
安くて評判の良い業者を探す方法
生前整理を業者に依頼する際に何よりも重要なのは、「しっかりとした安心できる業者に依頼すること」です。ご自身の人生や、ご遺族に残す大切なものを整理するのですから、いい加減な業者、ましては悪徳業者には依頼したくないものです。
また料金を安くしたい・出費を抑えたいというご要望もあるでしょう。私たちみんなの遺品整理は「安心×低価格×高品質」なサービスを多くのユーザー様に届けたいと考え、以下のサービスを提供しています。
みんなの遺品整理が選ばれている3つの理由
1、業者比較で最安値が見つかる!
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2、安心して利用できる仕組みを実現
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遺品整理業者の審査基準について
また当サイト「みんなの遺品整理」は、遺品整理士認定協会と提携しており、遺品整理士が在籍する業者のみをご紹介しています。またご紹介する業者はすべて厳しい加盟審査をおこなっております。
全国10,000社以上いるといわれている業者の中から、
・法律を守って運営しているか
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などの項目で審査し、厳選して掲載しています。600社以上の業者から料金、口コミ、スタッフ、サービス内容、作業事例、実際の支払い費用で比較できます。
まずは無料相談
はじめての業者利用でどうすればいいかわからないという方のご相談も受け付けております。
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など気軽にご相談くださいませ。業界歴9年以上の業界知識の豊富なスタッフが回答いたします。
終わりに
生前整理はいつまでにという期限がないので余裕をもって行うことができます。始めは少しずつ進めてみて、大変な場合は家族や業者の手を借りてみるのも良いでしょう。今後の新たな人生のスタートを切るきっかけとしての「生前整理」。是非おこなってみてくださいね。
【監修者:一般財団法人遺品整理士認定協会】
遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。
遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。
法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。
【執筆者:みんなの遺品整理事務局】
東証プライム市場上場企業の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。
はじめての遺品整理でも、専門知識が豊富な相談員が中立な立場で、無料アドバイスをさせていただきます。大切な人の生きた証を残しつつ、気持ちよく次の世代へ資産や遺品を引き継ぐために、私たちは、お客様一人一人に最適なお手伝いができる情報提供・業者のご提案をいたします。