形見分けとは、日本に古くから伝わる風習で、本来亡くなった方が生前愛用していた遺品を特に親交が深かった友人や家族、親族に分けることをいいます。しかし近年、形見分けをしたくても贈る品物がなかったり、受け取る側も使い道がなくて困ってしまったり、といったケースも少なくありません。

そこで、この記事では、形見分けの代わりとして現金を贈る方法やそもそも現金を形見分けとして贈ることはできるのか、また現金を形見分けとして受け取る場合のマナーなどについて解説します。

形見分けとして現金を贈るのはアリ?ナシ?

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形見分けに現金?アリかナシか

まず、現金を形見分けとして贈ることは、正式な形見分けの意味合いとは異なりますただし、故人様のご要望や形見分けする品物がない場合、現金などで代用することも可能です実際には必ずしも形見分けを行わなければいけないわけではありません。

形見分けの本来の意味とは

そもそも形見分けとは、生前亡くなった方が大切にしていた品物を特に交友のあった友人や家族に贈る(分け与える)という日本に古くから伝わる風習です。形見を身近に置くことで、故人様を思い出し偲ぶという一種の供養方法であるともいえます。形見分けの由来は、故人様の遺品を粗末にしない、無駄にしないという考えから生まれたそうです。

そのため、現金で形見分けをするのは本来の形見分けの目的・意味とは少しかけ離れてしまいます

しかし、現在ではそもそも形見分けの品物がなかったり、モノが楽にすぐに手に入る時代であるということもあり、贈る側ももちろん、受け取る側も形見分けをあまり有難く思わず、むしろ使い道に困ってしまう、というケースも増えています。

そこで、”現金を形見分けする”方が増えているのですが、その際の 注意点について解説します。

現金を形見分けする際の注意点3つ

1.相続税 ・贈与税がかからないか把握しておく

形見分けをする際に気をつけておきたいことは、相続税・贈与税がかかってしまわないか確認することです。気持ちの上では形見分けでも、法律上では税金がかかってしまい、おもわぬトラブルにつながる可能性もあります。

形見分けをするしないにかかわらず、遺品などの価値が認められれば相続税が課せられます

一方で形見分けを受ける側は、受け取った現金や品物が一年で合計して110万円を超えた場合、贈与税が課せられてしまいます。ここで注意したいのが、受け取ったものひとつが110万円を超えた場合ではなく、一年に受け取った全ての現金や品物が合計して110万円を越えた際には税金が課せられるということです。但し、110万円までは課税控除されるため、それまでは課税はされません。

現金を形見分けする際にはあまり注意すべき点ではないかもしれませんが、念のため注意しておきましょう。

 

2.遺産分割を把握する

さらに注意しなければならない点は、相続人が複数人いる場合、故人様の形見は遺産の一部として相続品になります。特に、故人様の現金を形見分けする場合には、そのお金は全て本来は相続人が相続する決まりになっています。そのため、遺産分割がまだ済んでいない状態で故人様の遺産を分けてしまうと相続トラブルにつながりかねません。

遺産を形見分けする際には相続人ときちんと話し合い、合意したうえで行うようにしましょう。

しかし、故人様のご依頼やご自身のご希望で、ご自身のお金で形見分けを行う場合には遺産分割に注意する必用はありません。

3.無理に押し付けない

どんなに仲がよかった友人や血のつながった親戚でも、無理に形見分けを押し付けることは控えましょう。特に故人様がご希望された場合、「どうしても受け取ってもらいたい」という気持ちはわかりますが、形見分けは贈り物ではないため相手の気持ちに寄り添い、断られた場合は無理に押し付けないようにしましょう。

”現金で形見分け”をする際のマナー

基本的には、現金を形見品として代用する形になるため、形見分けの実際のルールに沿って形見分けを行います。(後ほど形見分けの基本ルールで説明)

包装方法

そこで問題になるのは、現金をどう包装し贈るか、という点です。通常の形見分けでは、特に決まったルールはありませんが、形見分けは贈り物ではないため、品物を包装する必要はありません。しかし、現金をそのままむき出しで渡すということはなかなかできませんね。そのため、現金で形見分けをする際には、無地の白封筒に現金を入れ、「形見分けすべき品物が無いため、こちらをお受け取りいただけると幸いです。」等と一言添えてお渡しするとよいでしょう。その際、手紙などは必要ではありません。

渡す額は、受け取る側の精神的負担にならないよう適度な額をお渡しするとよいでしょう。

”現金で形見分け”を受け取る際のマナー

ご遺族から形見分けのご依頼をいただいた際には、受け取るのがマナーです。しかし、どうしてもやむをえない理由があれば丁寧にお断りしましょう。

形見分けに御礼は必要?

基本的には形見分けに対する御礼や手紙は必要ありません。形見分けは贈り物ではなく、弔事だからです。

本来の形見分けは、いただいた遺品を大切に使用し故人様を偲ぶことが最大の御礼になりますが、現金の場合はなかなか困難であるため、その現金で故人様を思い出させてくれるような品物を購入するのもおすすめです。

形見分けの基本ルール

形見分けには時期がある?

形見分けの時期は明確に決まっているわけではありませんが、一般的には四十九日の法要や1周忌を区切りにして形見分けをすることが多いです。

四十九日法要は忌明けといって、故人様のご冥福を祈り、喪に服す期間を終える日、または、その日を迎えたことをさします。この忌明けをもって、故人様の魂が旅立ち、仏様のもとへむかうといわれています。そのため、形見分けは故人様との最後のお見送りの儀式であり、また故人様を忘れないように行われる儀式です。

 よって、形見分けは遅すぎるのも早すぎるのも好ましくなく、四十九日の法要や一回忌を区切りにして形見分けを行うことが多いのです。

 また、葬儀を終えてから遺品整理をはじめ、四十九日の後に親族で形見分けを行い、一周忌後に友人たちに形見分けを行うという方法もあります。

 ただし、信仰している宗教によっては厳密に時期が決められている場合もあるので、念のためお坊様や神主様、牧師様などに相談してみると安心です。

 宗教別に異なる形見分けの時期についてはコチラ

形見分けは誰に渡すもの?

形見分けを贈るのは範囲は、近親者や特に交友のあった友人などに限ります。ここで気をつけておきたいのが、形見分けは目上の人には贈ってはいけません。先方からの希望が無い限り失礼になってしまうからです。ここでいう目上の人とは、故人様からみて目上の人のことをさします。

終わりに

形見分けは日本に古くから伝わる風習です。故人様の遺品を無駄にせず、思い出の品として故人様を思い出させてくれるとても素敵な風習です。

だからといって、必ずしも行わなければいけないわけではありませんが、どうしても形見分けを行いたいのに分ける遺品が無い際は、現金で代用することも可能です。その際には、形見分けの品物がなかったことを相手に伝え、形見分けのルールに従い現金を渡しましょう。

【監修者:一般社団法人遺品整理士認定協会】

遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。

遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。

法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。

 

【執筆者:みんなの遺品整理事務局】

東証一部上場企業の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。

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