空き家をしばらく放置していたものの、ニュースなどで‟日本の空き家問題”を見聞きして、
「うちの空き家はあのままでいいのか?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
高齢化が進む日本では年々空き家率が増加しています。
平成25年の空き家率は過去最高の13.5%を記録しており、国レベルの問題といっても過言ではありません。
これだけニュースになるということは、空き家の放置は大きな問題をはらんでいるということです。
そこで、この記事では空き家整理がなぜ必要かをリスクの観点で解説します。
ここまでで、空き家整理の必要性が理解できます。
さらに空き家整理をする手段として「自力で行う」「業者に依頼する」の2つについて、メリット・デメリットや実施にあたってのポイントを解説します。
ここまで読み進めれば、実際に自分の状況ではどのような手段で整理をすべきか判断できるはずです。
それでもすぐに整理に着手できない方に向けて、当面の対処方法もお伝えします。
この記事を読んでいただき、小さな一歩でも良いので整理が進められる計画を組んでいただければ幸いです。

- 1.空き家の整理はなるべく早くするべき!
- 2.空き家を整理すべき3つのタイミング
- 3.空き家を整理する方法
- 4.空き家を自力で整理する際のポイント
- 5.空き家の整理を業者に依頼する際のポイント
- 6.空き家の整理を今すぐにできない場合の対処法
- 7.まとめ
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1.空き家の整理はなるべく早くするべき!
空き家はできるだけ早く整理に着手すべきです。
なぜなら空き家をそのままにしておくと、以下のようなリスクが想定されるからです。
・特定空き家に認定される
・維持費にコストがかかる
・犯罪トラブルの可能性
・近隣トラブルの可能性
立地や建物の状況によってリスク発生の可能性は変わります。
一つずつ詳しく説明をしていくので、ご自身の空き家の状況と照らし合わせながらお読みください。
1-1.特定空き家に認定されるリスクがある
放置した家が「特定空き家」に認定されると、国からの強制指導を始め、最悪のケースでは税金を多く支払う必要が生じるため、適切な整理や整備を行う必要があります。
政府は平成26年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を交付しました。
特定空家とは、適切な管理が行われていない空き家の中でも、「特定空家等に対する措置」という指針に基づき、以下の条件に当てはまる空き家を指しています。
【特定空き家等に対する措置の条件】
・そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 ・そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態 ・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 ・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 |
単に指定されるだけでなく、特定空家に指定されると「空家等対策の推進に関する特別措置法」の適用対象となり、
「建物の解体や修繕」「立木竹の伐採」といった助言・指導が実施されます。
さらに改善が見られない場合、勧告・命令と強制レベルが上がっていきます。
最終的には、保全のために必要な措置を勧告された場合、空き家の敷地は固定資産税などの住宅用地特例の対象から除外される点も大きなデメリットです。
住宅用地特例の対象から除外されると、固定資産税は更地状態と同等の最大6倍にまで跳ね上がる場合があるため、金銭的ダメージも大きくなってしまいます。
空き家を放置すると政府レベルの指導や金銭ダメージがあることを覚えておき、適切な整理を行うようにしてください。
1-2.維持費にコストがかかる
たとえ人が住んでいなくとも、通常の不動産同様の維持費は発生します。
維持費が発生する以上、なるべく早く空き家を整理して、今後活用できる状態に整えることが重要になります。
空き家を維持するためにかかる費用は次の通りです。
【空き家維持の主な費用】
維持費の種類 |
内容 |
固定資産税 |
・不動産を所有している場合、必ず国に納税する税金 ・金額は市区町村の固定資産税評価額に一定の税率をかけて算出 |
都市計画税 |
・都市計画法に基づき市街化区域に所在する土地・建物が課税対象となる *市街化区域……市街がすでに形成されている地域、もしくは将来的に市街化をはかる計画がある地域 |
火災保険 |
・建物にかけられている火災保険の費用 ・金額は補償内容や契約期間によって異なる |
光熱費 |
・建物に付随する電気・水道・ガス料金 ・使用量がゼロであっても基本料金は発生する |
他にも、建物が老朽化している場合は修繕費用などがかかります。
放置する期間が長ければ長いほど、空き家に無駄な費用を払い続けることになるため、できるだけ早く整理を進めるのが良いでしょう。
1-3.犯罪リスクがある
放置された空き家は、多種多様な犯罪の温床となるケースがあります。
空き家が抱えるリスクの中でも犯罪リスクは経済的・社会的なダメージが大きいため注意が必要です。
【空き家で起こる犯罪の一例】
・放火 ・不法占拠(人が住み着いてしまうなど) ・盗難 ・違法薬物製造や薬物栽培 ・不法投棄 ・敷地内の物品の無断使用 |
これらはあくまで一例ですが、犯罪が起こった空き家は世間的な評判を落としてしまうケースも珍しくありません。
犯罪だけではなく「空き家なのに人の気配がする…」といった噂が広まり、風評被害やいわくつき物件のレッテルが貼られる可能性まで考えられるのです。
1-4.近隣トラブルのリスクがある
管理されていない空き家は、徐々に劣化することで近所トラブルになる可能性も否定できません。
近隣に迷惑にならないように、適切に整理したうえで良好な管理状態を保つことが必要です。
【空き家で起こる近隣トラブルの一例】
・空き家があることで治安が悪化 ・倒壊や窓などの破損でケガ人がでる ・害虫が発生する可能性あり ・放置物による悪臭 ・景観が悪くなる |
空き家のある土地の文化次第ではありますが、「空き家=不潔」なイメージがある地域も存在します。
空き家の整理・メンテナンスを行い、清潔なイメージを保つことが大切です。
2.空き家を整理すべき3つのタイミング
居住者が最近までいた空き家なら、少しくらいは放置してもいいのではないか?とお考えの方もいると思います。
ただし整理するきっかけを逸すると、どんどん放置期間が長引いてしまいます。
整理を決めるタイミングとしては、以下が代表的な時です。
・居住者が亡くなった時
・四十九日が終わった時
・相続が発生した時
詳しく各タイミングについて説明していきます。
2-1.住居者が亡くなって空き家になった時
住んでいた方が亡くなり、その後親族などで住む人が見当たらない場合は、一旦は家財など室内の整理をするタイミングといえます。
故人の遺品整理をすると思うので、同時に室内に置いてある家具や荷物についてもどう処置するかを決めてしまいましょう。
「亡くなってすぐに整理するのは、故人に申し訳ない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
すぐに整理をするのは難しい場合でも、どのような家財があるのかをチェックして、リスト化するなど準備をしておくことをおすすめします。
2-2.四十九日が終わった時
四十九日が終わったタイミングは、家財整理をスタートする区切りになりやすいです。
遺族が亡くなった直後は死亡届を出したり、葬儀の手配などで遺品整理まで手が回らないことが多いと思います。
そのため、故人の魂があの世に旅立つと言われる四十九日は、遺品や室内の整理に着手しやすいタイミングといえます。
故人の生前の様子などを思い出しながら、使っていた家財を丁寧に整理してあげると良いでしょう。
2-3.相続が発生した時
自分が相続人になると税金が発生するため、今後の活用のために整理を始めるタイミングといえます。
住居者が存命していたとしても、老人ホームに入居するなどのタイミングで、空き家状態になることもあります。
相続をすることになれば、誰も住む予定が無かったとしても、相続税の対象となります。
仮にいずれ賃貸などの可能性があるとしても、室内クリーニングを実施するなら家具などはあらかじめ撤去する必要があります。
そのまま残して価値があるようなアンティーク家具は除いて、一旦は室内を整理するようにしましょう。
3.空き家を整理する方法
空き家整理の必要性が分かったら、いよいよ空き家を整理する具体的な方法を考えます。
空き家の整理方法としては「自力で行う」「業者に依頼する」の2つがあります。
方法 |
メリット・デメリット |
費用目安 |
向いている人 |
自力で行う |
〇コストをかけず自分の都合で行える ×労力がかかり、出来る範囲のことしかできない |
最低7万円 |
・故人に思い入れがある ・時間に余裕があり、空き家への距離が近い ・空き家の面積が3LDK以下 |
業者に依頼する |
〇労力をかけず、専門領域も依頼できる ×コストがかかり、業者によって対応領域が異なる |
4万~40万 |
・整理の時間が取れない ・解体や害虫駆除など自分ではできない対応が必要 ・空き家の面積が3LDK以上 |
各々メリット・デメリットはあるため、現実的には2つを組み合わせて整理を進めることもあるかと思います。
詳しく説明していくので、ご自身の空き家整理計画の参考にしてください。
3-1.自力で行う
空き家整理を業者に依頼せず自力で行う際の
・メリット
・デメリット
・費用目安
・向いている人
について詳しく解説します。
3-1-1.自力で行うメリット3つ
自力で行う場合の主なメリットは、主に自由度やコストに関わる以下の3つです。
〇自分の都合に合わせて整理が行える(主に空き家が近場にある場合)
〇思い出の品の選別や遺品整理ができる
〇コストが最小限で抑えられる
特に空き家の住人が両親など近しい人の場合は、多少時間をかけても思い出の品を丁寧に選別したうえで、気持ちを込めて整理をするのが良いでしょう。
3-1-2.自力で行うデメリット3つ
自力で行うデメリットは主に労力面に関わる以下の3つです。
×時間と労力がかかる(特に3LDK以上の空き家の場合は何度も足を運ぶ必要がある)
×大きな家財処分などは別途搬送業者を手配する必要がある
×害虫駆除など専門領域には自力で対応できない
特に築年数が経過した空き家では、害虫駆除や水回りの修繕など自力でできないことも多くなります。
自力で行う部分と、専門業者に依頼する部分と分けて整理を進めると良いでしょう。
3-1-3.自力で行う際にかかる費用
自力で空き家を整理する場合にかかる費用としては、「粗大ごみの処分費用」と「家電4品目の処分費用」が挙げられます。
【粗大ごみの処分費用】
・大型家具の回収料金:1,000円~1,800円
(テーブル、ベッド、ソファ、本棚、タンスなど)
・小型家具・家電の回収料金:300円~700円
(椅子、下駄箱、傘立て、ラジオ、電子レンジ、ポット、加湿器など)
【家電4品目の処分費用】
家電4品目とは、テレビ・冷蔵庫・エアコン・洗濯機です。
これらは家電リサイクル法という法律によって処分方法が決められています。
この処分には「リサイクル料金」+「収集運搬料金」の2つに分かれます。
===家電4品目の費用の算出例=== |
☑リサイクル料金……1個につき1,500円~4,000円程度 ※リサイクル料金は、家電を製造したメーカーによって異なるため、詳細はメーカーのWEBサイトで確認してください ☑収集運搬料金……1個につき2,500円~3,000円程度 【テレビ2台の場合の目安】 ・リサイクル料金2,000円×2 + 収集運搬料金2,500円×2 = 合計9,000円 |
仮に、粗大ごみとして処分できる荷物が45個、家電4品目対象の荷物が5個、
これらが空き家から排出された場合、自力で処分にかかる費用は7万円程度となります。
(粗大ごみ回収料金1,000円×45個+家電リサイクル料金・収集運搬料金5,000円×5=7万円)
また自力で整理を行う際は、場合によって「移動費(交通料金やガソリン代)」や「人件費(お手伝いをお願いする場合)」なども加わるため、ご注意ください。
3-1-4.自力で行うのがおすすめな人
これまで見てきたメリット・デメリットを踏まえると、空き家の整理を自力で行う方法がおすすめな人は以下のようになります。
・空き家が近隣にあり、何度も足が運べる
・仕事などをしておらず、比較的整理に時間が使える
・空き家に住んでいた人に強い思い入れがあり、丁寧に整理をしたい
・空き家整理のコストをなるべく抑えたい
・部屋の広さが3LDK未満で、家財やゴミが少ない
自力で行う場合でも、あらかじめ下見をしたうえで、整理に必要になりそうな備品などを揃えておくと、さらに効率的に整理が進められるでしょう。
ここまでお読みいただき「自分の場合は、自力で整理した方が良さそうだ」と思われた方は、以下の章をご一読ください。
3-2.業者に依頼する
空き家整理を業者に依頼する際の
・メリット
・デメリット
・業者の種類と費用目安
・向いている人
について詳しく解説します。
3-2-1.業者に依頼するメリット3つ
業者に依頼するメリットは、主に時間節約と専門領域を依頼できる安心感に関する以下3つとなります。
〇自分の手間がかからない(特に3LDK以上の家屋は自力整理は労力がかかる)
〇大きな家財があっても、処分も含めてお願いできる
〇業者によっては床下・床上・配管など建物の必要処置もお願いできる
大きな家財がある場合や、整理後に賃貸などの活用を考えている場合は、建物の修繕まで含めて業者に依頼するメリットが大きいといえます。
3-2-2.業者に依頼するデメリット3つ
業者に依頼するデメリットは、主に費用面と業者に任せる範囲に関する以下3つとなります。
×依頼費用が発生する
×遺品整理を適切に行ってくれるかは業者次第
×悪徳業者に遭遇するリスクがある
単なる家財の整理だけではなく、個人の遺品などを丁寧に選別したい場合は、業者がどこまで担ってくれるかなどは慎重に見極める必要があります。
3-2-3.業者に依頼できる内容とかかる費用
空き家整理が依頼できる業者には「不用品回収業者」「遺品整理業者」の2社が代表的なものとなります。
2社で担える業務範囲は異なるため、何をどこまでお願いしたいかによって依頼先を検討してください。
【業者に依頼できる内容】
不用品処分 |
物品買い取り |
家具や家電の移動 |
細かな仕分け作業 |
遺品整理 |
|
不用品回収業者 |
◎ |
△ |
× |
× |
× |
遺品整理業者 |
〇 |
〇 |
△ |
◎ |
◎ |
サービスの提供範囲が幅広いのは「遺品整理業者」です。
遺品整理というデリケートな作業がメインとなる関係上、細かな分別を得意としていますが、一方で不用品回収業者より費用は高額になる傾向にあります。
不用品回収業者は不用品の処分費用自体は抑えやすいものの、提供サービスは「不用品の回収・処分」に絞られるケースが多く、荷物の仕分けなどは行ってくれません。
【業者に依頼する費用目安】
次に空き家整理をする業者に依頼する際の費用相場を見ていきましょう。
間取り |
費用相場 |
1R・1K |
4万円~10万円 |
1LDK |
7万円~15万円 |
2DK・2LDK |
11万円~20万円 |
3DK・3LDK |
15万円~25万円 |
4DK・4LDK~ |
20万円~40万円 |
空き家整理の料金は「基本料金+オプション」となっているケースが多いです。
状況に応じて上記の基本料金にプラスアルファで「エアコンの取り外し」や「畳の撤去」などの費用が追加されるケースがあります。
適正費用を洗い出すには、いくつかの業者に見積もり依頼を行ったうえで、価格比較を行うと良いでしょう。
3-2-4.業者に依頼するのがおすすめな人
これまで見てきたメリット・デメリットを踏まえると、空き家の整理を業者に依頼する方法がおすすめな人は以下のようになります。
・空き家が遠方になり、なかなか足が運べない
・仕事などが忙しく、整理の時間が確保できない
・コストがかかっても、早目に整理を進めたい
・空き家整理のコストをなるべく抑えたい人
・部屋の広さが3DK以上で、家財やゴミが多い
業者に依頼する場合は、依頼先によって金額や対応範囲が異なるため、必ず事前に見積もりを取って依頼内容を確認するようにしましょう。
ここまでお読みいただき「自分の場合は、業者に依頼した方が良さそうだ」と思われた方は、以下の章をご一読ください。
4.空き家を自力で整理する際のポイント
空き家の整理を自力で行う際、
・ゴミ処理センターの利用
・空き家バンクの活用(空き家を賃貸や売買に出す場合)
・自治体の補助金の利用(空き家を解体する場合)
を利用することで、費用が抑えられます。
また空き家状態になっていても、住んでいる方がご存命の場合は生前整理を行うことで、スムーズに家財整理を進められます。
4-1.ゴミ処理センターの利用
車などでゴミが運べる場合は、自力でゴミを処分センターに持ち込んでしまいましょう。
明らかに捨てるものの処分を最初に行ってしまった方が、残ったものの整理もスムーズに進めやすくなります。
空き家整理では多くのゴミが出ます。
ゴミの量にもよりますが、通常のゴミの日に捨てると近隣住民に迷惑がかかる可能性もあります。
またゴミの種類によっては、近隣のゴミの日と曜日が合わない場合もあります。
ゴミ処理センターへの持ち込み方法や粗大ゴミの分別方法などは各自治体によって異なります。
詳しくは空き家がある地域の役所ホームページの「暮らし・手続き」コーナーをご覧ください。
4-2.空き家バンクに登録する
空き家バンクに登録をすることで、家財の処分費などが節約できることがあります。
空き家バンクは、空き家の賃貸・売買希望者と空き家の利用希望者をマッチングさせる行政サービスです。
登録時には、家財をある程度残しておいても問題ないケースもあります。
家財を残しておける場合は、大掛かりな整理の必要がなくなります。
家財の処分の手間を省きたい場合や、思い入れがあってそのまま残したい場合は、まずは空き家バンクに登録しましょう。
自治体、あるいは自治体が委託した団体が運営している空き家バンクに登録したい場合は、役所の担当部署に申請すれば手続きができます。
【空き家バンクの登録の流れ】
詳細の手続き方法は各自治体によって異なるため、担当部署にお問い合わせください。
4-3.自治体の補助金を利用する
もし空き家を解体するのであれば、自治体の補助金を受けることでコストを浮かすことができます。
自治体の主な補助金制度は次の通りです。
◆老朽危険家屋解体撤去補助金 (老朽化等で倒壊の恐れがある危険家屋の除却を助長する制度) ◆都市景観形成地域老朽空き家解体事業補助金 (都市の景観を守るため、長い間放置された家屋の解体費用を補助する制度) ◆建て替え建設費補助金 (老朽化した家屋を除却し一定の基準を満たす住宅を建築する際、解体費用や建築費用の一部が補助される制度) |
支給される補助金の目安としては、解体費用の約1/5~1/2程度となるため、解体が決まったら積極活用をおすすめします。
なお補助金の名称や適用条件や金額は自治体によって異なります。
役所ホームページの「助成事業」コーナーで補助内容を確認し、解体が決まったら問い合わせてみましょう。
4-4.生前整理を行う
ご両親が施設などに入居して空き家状態になったような場合は、ご両親と話し合いをしながら生前整理を行うと、納得感がある整理が進められます。
生前整理とは、いずれ来る最期を見据えて、生きているうちに身の回りのものや財産を整理しておくことです。
この時の整理とは「不要なものを手放し、手放せないものについては、住人が居なくなった後の扱い方を決める」という意味合いです。
生前整理は家財処分のみならず、金融資産などの扱いについても相談しながら決められるのが大きなメリットです。
ご両親が話ができる状態であれば、財産をどうするかを話し合う良い機会にもなるでしょう。
5.空き家の整理を業者に依頼する際のポイント
空き家の整理を業者に依頼する際は以下がポイントとなります。
・業者を適切に選ぶ
・自力作業との併用
・悪徳業者を見分ける
各々、詳しく説明します。
5-1.空き家の整理を依頼する業者を選ぶ
空き家整理を依頼できる「不用品回収業者」「遺品整理業者」のどちらに依頼するか決めた上で、問い合わせを行います。
2社の違いは前述の通りですが、あらためて以下のような用途の違いがあります。
・不用品回収業者……荷物の仕分けなどがなく、処分のみを依頼する場合
・遺品整理業者……遺品整理など、丁寧に荷物の分別をしたい場合
いずれの業者に依頼する場合でも、問い合わせを行う際は以下の観点でチェックをしてください。
・希望する依頼内容に対応できる業者であるか?
・料金は適正な価格であるか?
・サービスの質に問題はないか?
・実績やノウハウは豊富か?
・空き家の有効活用につなげやすい業者であるか?
念入りに業者を選定したい場合は、口コミサイトやQ&Aサイトで候補となる業者の評判を調べる方法もおすすめです。
5-2.費用がかさむ時は自力作業と併用する
業者の利用を視野に入れて空き家を片付ける場合でも「自分たちでできること」と「業者に依頼したほうが良いこと」を整理しておくのが、費用を抑えるポイントとなります。
【自力で出来ることの例】
・小物や書類などはまとめておく
・無料で捨てられるものはゴミの日などを利用して捨てる
・不要なものは捨てる以外に、知人に譲る・売却するといった方法も取ることで処分費を抑える
ある程度自力で整理した上で業者を利用すれば、スムーズかつ低コストで空き家の整理が進められます。
5-3.悪徳業者を選ばないための5つチェックポイント
「早く空き家整理を進めたい」という焦りがあっても、悪徳業者には十分な注意を払うようにしてください。
金額だけではなく、以下の観点で業者をチェックしてください。
悪徳業者のチェックリスト |
・見積りや契約は口頭だけでなく、書面で準備してくれるか ・見積り額の根拠が明確で、明細まで記されているか ・オプションメニューなどが決まっているか ・遺品整理士は在籍しているか(遺品整理業者の場合) ・産業廃棄物収集運搬許可を得ているか |
特に廃棄作業をどのように行うかは念入りに確認しましょう。
悪徳業者の中には、回収した遺品を不法投棄するケースもあります。
知らない間に犯罪に加担することがないよう、業者選定には細心の注意を払ってください。
➤➤悪徳業者の詳しい見極め方は、こちらの記事もご覧ください。
良質な業者に依頼したいなら「みんなの遺品整理」がおすすめ |
悪徳業者の見抜き方は分かったものの、空き家整理業者の数が多すぎて探すのが大変という方もいらっしゃると思います。 ・業者選びの勘所がなく、どこの業者が合っているのか判断できない…… ・急いでいるから、間違いのない業者をすぐに選びたい…… そんな方は是非、当サイト「みんなの遺品整理」をご活用ください。 みんなの遺品整理は「厳しい審査基準をクリアした業者のみ掲載」「利用者の口コミが掲載されている」「一度に3社の一括見積もりが可能」など、スピーディーに安心できる業者が選べるサイトです。 全国各地に数ある遺品整理業者の中から、最適かつ安心して作業を任せられる1社を迅速に探し出すお手伝いをしております。 業者選びの際は、ぜひ一度ご活用ください。 |
6.空き家の整理を今すぐにできない場合の対処法
空き家を放置するリスクは理解できたものの、自力でも業者依頼でも今すぐ整理に着手できないという方もいらっしゃると思います。
そんな場合でも以下の対応だけは行っておくようにしましょう。
・近隣住民への挨拶
・衛生上や災害リスクへの対処
・空き家の定期的なチェック依頼
これだけで、当面の間は大きなリスクやトラブルは回避できるはずです。
6-1.近隣住人に挨拶・説明をする
すぐに空き家整理に着手できない場合は、近隣住民に挨拶を行い「いつ頃になったら整理をする」という目処を伝えるようにしてください。
近隣住民は何も事情を知らないで空き家を見つけた際は、必要以上に不安になるものです。
「今後、この空き家はどうなるのだろう?」という心情的な不安感から、噂や風評被害に発展しかねません。
一言でも近隣の方々に挨拶を交わしておくだけで、近隣住民の安心感や信頼を得ることができます。
できれば空き家になった経緯や、すぐに整理できない事情などもあわせて伝えると、親身になってくれる可能性があります。
6-2.衛生上の問題や災害リスクだけはすぐに対処する
老朽化が進んだ空き家の場合は、腐食が進むような物の撤去は最低限すぐに行ってください。
害虫被害が出ると、建物の資産価値を低下させるだけでなく、近隣住民にも迷惑をかけることになります。
【優先的に整理・対応すべきもの】
・ゴミ ・食べ物(乾燥物や調味料も処分する) ・衣類や靴(洗濯をしてあっても悪臭や虫食いの原因になる) ・水回りなどカビが発生しやすい場所の清掃 |
また窓が割れている、屋根が朽ちかけているなどの災害リスクがある箇所も、速やかに対処を行うようにしましょう。
天候が悪い日などに、最悪のケースでは周囲の人に被害を及ぼすような事故に繋がりかねません。
建物だけでなく、庭や車庫など周囲から見えやすいスペースも清潔感を保っておくと、より安心でしょう。
6-3.定期的な室内チェックを依頼する
空き家の近隣に親族や知り合いがいる場合は、月に1回程度簡単な清掃や換気・水通しなどを依頼するのも一手段です。
建物は定期的に風や水を通さないと、清潔な状態が保ちにくくなります。
特に木造の家屋の場合は、雨降りなどの天候によっては、換気をしないと木の腐食が進みやすくなります。
定期的に人が入ることで、清潔な状態が保てるだけでなく、異臭やシロアリなどが早期に発見できます。
また、定期訪問によって郵便物や他に手入れが必要な箇所がないかもチェックしてもらえます。
人の気配があれば、空き巣や強盗被害への抑止効果もある程度は期待できます。
7.まとめ
今回の記事では、空き家を整理する必要性や、具体的に整理を進める方法について紹介しましたが、ご自身の対応方針は決まりそうでしょうか?
あらためてこの記事のポイントをまとめます。
◎空き家の放置には以下のリスクがあります
・特定空き家に認定される ・維持費にコストがかかる ・犯罪トラブルの可能性 ・近隣トラブルの可能性 |
◎自力で行う費用は最低7万円で、向いている人は以下の通りです
・空き家が近隣にあり、何度も足が運べる ・仕事などをしておらず、比較的整理に時間が使える ・空き家に住んでいた人に強い思い入れがあり、丁寧に整理をしたい ・空き家整理のコストをなるべく抑えたい ・部屋の広さが3DK未満で、家財やゴミが少ない |
◎業者は依頼する費用は4万円~40万円で、「不用品回収業者」「遺品整理業者」があります。業者への整理依頼に向いている人は以下の通りです
・空き家が遠方になり、なかなか足が運べない ・仕事などが忙しく、整理の時間が確保できない ・コストがかかっても、早目に整理を進めたい ・空き家整理のコストをなるべく抑えたい人 ・部屋の広さが3DK以上で、家財やゴミが多い |
◎空き家を自力で整理するポイントは以下の通りです
・ゴミ処理センターの利用 ・空き家バンクの活用(空き家を賃貸や売買に出す場合) ・自治体の補助金の利用(空き家を解体する場合) ・生前整理を行う |
◎空き家整理を業者に依頼するポイントは以下の通りです
・業者を適切に選ぶ ・自力作業との併用 ・悪徳業者を見分ける ・良質な業者を選ぶ |
◎すぐに空き家を整理出来ない場合は、以下の対応だけでも行ってください
・近隣住民への挨拶 ・衛生上や災害リスクへの対処 ・定期的なチェック依頼 |
空き家の整理は人生でそこまで頻繁に起こることではないため、対応に戸惑う人も多いかと思います。
リスクを避けるためにもなるべく早期の対応が必要ですが、活用方法が見出せず悩んでしまう場合は、
まずは整理業者へ相談して次のステップへのきっかけ作りをしてみましょう。
【監修者:一般社団法人遺品整理士認定協会】
遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。
遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。
法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。
【執筆者:みんなの遺品整理事務局】
東証プライム市場上場の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。
はじめての遺品整理でも、専門知識が豊富な相談員が中立な立場で、無料アドバイスをさせていただきます。大切な人の生きた証を残しつつ、気持ちよく次の世代へ資産や遺品を引き継ぐために、私たちは、お客様一人一人に最適なお手伝いができる情報提供・業者のご提案を致します。