「事件現場特殊清掃士」の仕事に興味を持ち始めた方や、仕事にしたいと考えている方。そもそも具体的どのような仕事を行うのか、どんな機材が必要か、お金はどの程度かかるのか。また、特殊清掃に必要な知識や経験はどこで得ることができるのかなど…

何から調べればよいのかわからず、お困りではありませんか。

この記事では、提携している358社の特殊清掃業者の現場事情を踏まえ、仕事の内容から必要な機材やお金、知識や経験、持っているとよい資格の取り方までをご紹介いたします。

事件現場特殊清掃士を始めるためには

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事件現場特殊清掃士とは

どのような仕事なのか?

孤独死や自殺により亡くなった方が、発見までに数日間かかってしまうことがあります。

亡くなった場所で遺体がそのまま放置されると、体液や血液によりその場所が汚れてしまい、死臭が残ってしまいます。

このような遺体による汚れ・死臭をなくすために清掃をおこなう仕事を、特殊清掃といいます。

特殊清掃には、感染症のリスクなどが伴うため、専門的な知識や経験・専用の道具などが必要となります。

事件現場の特殊清掃に対応できる専門性を持った人が、「事件現場特殊清掃士」です。

仕事の意義・必要性

特殊清掃の仕事は、今後需要が増えることが予想できます。

その原因は、日本で年々増加し続ける高齢者の単身世帯です。厚生労働省の発表では、2020年には高齢者世帯の約3分の1が単身世帯になるとされています。(2018年厚生労働省の資料より)

このままでは、高齢者の孤独死は今後も増加し、亡くなってから何日も遺体が発見されないケースが増えていきます。

このような日本の現状に比例し、特殊清掃の需要は必然的に増えます。

専門の知識・経験・必要な道具を持った「事件現場特殊清掃士」は、今後ますます必要な職業になっていきます。

事件現場特殊清掃士の仕事内容

実際の特殊清掃の現場では、大きく分けると、2つの作業を行います。

・消臭、除菌の作業

 最初に部屋に入る際に、消臭が必要となります。除菌を行うことで、臭いの元となる菌をなくし、消臭を素早く行うことができます。消臭・除菌を行い、部屋に入れる状態にした後、清掃を行います。

・現場・依頼に沿った清掃の業務

ご遺体が長期間放置されてしまうと、ウジ虫等の害虫がたくさん沸く、腐敗臭が家具に染みつくなど、ご遺体が放置される期間によって、現場の状況も大きく異なります。

現場の状況や依頼者の要望に合わせ、害虫の除去、臭いの染みついた家具などの処分が必要になります。

また、汚染が深刻となり、床や壁の表面だけの清掃では不十分な場合もあります。このような場合には、腐敗液や体液で汚染された床・壁などを、復旧の負担を抑えつつ部分的に解体する必要があります。そういった作業では家の構造・材質の把握、リフォームなど周辺領域の知識も必要になります。

特殊清掃士の給料はどのくらい?

特殊清掃の仕事の始める方法として、自分で事業を立ち上げる場合と、特殊清掃を行っている会社で、正社員やアルバイトになる場合があります。

それぞれの場合で、実際の給料の目安をご紹介します。

自分で事業を立ち上げる場合、作業の単価相場

家の間取りや、現場の状況によって、料金は異なります。

以下では、作業内容ごとの料金例をご紹介します。

作業内容

作業費用

床上清掃

30,000円~

浴室清掃   

30,000円~

消臭剤・除菌剤の散布

10,000円〜

汚れた畳の撤去

1枚:3,000円〜

オゾン脱臭

1日:30,000円〜

汚物撤去

20,000円〜

害虫駆除

10,000円〜

作業員の人件費 

20,000円〜

以下の記事に、より詳細な作業に対する料金の目安についてはまとめてあります。

特殊清掃の料金相場はこちら

地域によって、会社の数や料金相場に多少の違いがあり、特に東京などの都心は、特殊清掃を行っている会社が密集しています。

お客様から依頼を頂く機会がどのくらいあるのかは、その地域で特殊清掃業を行っている競合の会社数によっても、異なってきます。

特殊清掃業を行なう正社員・アルバイトの給料

一般的な求人サイトや、特殊清掃を行っている会社のホームページに、特殊清掃業務の求人があります。正社員の場合とアルバイト・パートの場合に分けて、給料の相場をご紹介します。

①正社員

遺品整理や生前整理など、他の清掃業とともに特殊清掃の業務も引き受ける会社が多いです。未経験者から始めることのできる場合もありますが、経験の有無によって給料が異なることも多くあります。

 月給:20~30万円程度

 年収:300万程度

②アルバイト・パート

正社員と同様に、給料が作業経験の有無によって変動する場合があります。特殊清掃に特化したバイト雇用の数はあまり多くありません。

 時給:1100円~2500円

資格の取得により必要な知識を学ぶことができる

どのような資格なのか

事件現場特殊清掃士には、「一般社団法人 事件現場特殊清掃センター」が発行する資格があります。

この資格は、特殊清掃を行う上で、取得が義務付けられた資格ではありません。

しかし、資格取得を通して、特殊清掃に必要な知識を得られる上、仕事をする際にこの資格を持っていることで、お客様から信頼を得ることができます。

そのため、以下のような方に資格を取得することをおすすめします。

・これから特殊清掃の仕事を始めたいが、知識を学ぶ方法が分からないという方

・特殊清掃業務を行っており、お客様に安心して特殊清掃のご依頼していただきたい

資格を取るメリット

①特殊清掃に関する正しい知識が身につく

資格を取得するまでに、教材・DVDなどを用い、約2か月をかけて特殊清掃を行う上で必要な知識を学ぶ必要があります。

そのため資格取得を通して、法規則に遵守した特殊清掃の方法や、実際の現場での正しい対応を確実に身に着けることができます。

「特殊清掃を仕事として始めたいが、特殊清掃を行う上で必要な知識を、どのように学べばよいのかわからない」という方も、この資格取得を通して知識を身に着けています。

 

②お客様から安心感・信頼を得ることができる

この資格を取得していることは、お客様が特殊清掃業者を利用する際に、信頼して依頼していただくための、一つの基準となります。

資格取得後は、事件現場特殊清掃センターが発行する、「事件現場特殊清掃士認定証書」と「認定カード」を得ることができます。認定証書をお客様に提示することで、よりお客様に安心感を与えることができます。

資格取得までの手順

①申し込みについて

・受講資格

受講に必要な条件はありません。反社会勢力に該当する方以外ではどなたでも受講ができます。受講開始から修了まで約2か月間かかります。

・申し込み方法

「一般社団法人 事件現場特殊清掃センター」のホームページより申込みができます

・必要な費用

入会金:25000円

会費:5000円(2年間有効)

②教材による知識・手法の取得

入会金の支払い後、教材が届き、受講開始となります。

・教材について

 1.教本

 特殊清掃の背景、特殊清掃に必要な基礎知識などについて学ぶことができます。

 2.資料集

 特殊清掃の事例を通して、実際の業務に具体的なイメージを持つことができます。

 3.DVD

 DVDでは、以下の2つの内容を映像資料として提供しています。

 ・6名の講師による各業界の立場でのお話しの内容

 ・実際の特殊清掃現場での作業を撮影した内容

 4.問題集

 教本・資料集・DVDで学習が修了した後に、問題集に取り組み、知識の定着を確認します。

③修了後、課題を提出

教材で学習の後に、問題集を解き、回答を事件現場特殊清掃センターにWEBもしくは郵送にて提出します。回答が基準を満たしていれば、センターにより資格認定をします。

④合格通知、認定証の発行

基準に達し、資格を取得することができた場合、事件現場特殊清掃センターより「事件現場特殊清掃士認定証書」と「認定カード」が発行されます。今後、特殊清掃の活動の際に、認定証を使用することができます。

知識だけでは足りない!特殊清掃に必要な経験

特殊清掃を始める前に、知識を身に着けることはとても大切なことです。

しかし、実際に現場を目にした時のメンタル面での耐性や、現場の状況に応じた臨機応変な対応、部屋の臭気への慣れなどは、現場での経験を通して身につくものです。

特殊清掃業の事業を立ち上げたい方や、特殊清掃業の会社への就職を考えている方。仕事を始める前に、実際に現場での作業を行う機会を作ることが大切です。

既に特殊清掃を行っている会社でのアルバイトを行い、現場を経験してみましょう。

特殊清掃のみを行っている会社の求人は少ないですが、遺品整理など他の清掃業とともに、特殊清掃を行っている場合が多くあります。清掃業を行っている会社の求人情報を確認し、特殊清掃業のバイトの募集を探しましょう。

アルバイトを通して、様々な現場での作業を経験した状態で、特殊清掃を仕事として始めることをおすすめします。

みんなの遺品整理では、ご利用になるお客様向けに、全国358社の業者を紹介しています。以下のページで特殊清掃を行っている業者を紹介していますので、参考にしてみてください。

全国の特殊清掃業者についてはこちら

特殊清掃に必要な機材とかかるお金

特殊清掃では、亡くなった方の体液の処理や、部屋を除菌、脱臭などの作業が必要となります。必要となる機材も、一般の清掃業とは異なります。

また、特殊清掃に必要な機材には、高額なものがとても多いです。実際に使用する機材と、費用の相場をいくつかご紹介します。

 

オゾン脱臭機

費用:120万円程度

部屋内の除菌・消臭のためのはオゾン脱臭機が必要となります。オゾン分子は臭いを元から分解し、高い脱臭効果をもたらします。また、オゾンを使用することで溶菌作用があり、瞬時に除菌が可能になります。

ミスト噴霧器

費用:10万円程度

消臭・除菌の為に用います。粒子が非常に細かいため、大切な遺品を濡らすことなく、消臭・除菌を行うことができます。

臭気測定器

費用:3000円程度

臭気の確認は、鼻だけでなく数値で目に見える形で確認します。

・薬剤噴霧器

費用:3000円程度

殺菌のため、部屋に薬剤を広く散布するための道具です。

・防毒マスク・防護服など

部屋に潜んでいる細菌への対策として、防毒マスクと防護服は欠かせません。部屋で除菌を行うときだけでなく、汚染物の撤去中も使用します。

このように、特殊清掃を始めるには、特別な機材が必要となり、機材を用意するためには100万円以上のお金がかかります。

終わりに

この記事のポイントを、以下の4つにまとめました。

・孤独死が増加している現在、事件現場特殊清掃士の需要は増え続けています。

・事件現場特殊清掃士になるために必要な知識は、資格の取得により得ることができます。

・知識だけでなく、現場での経験を通して仕事を覚える必要があります。

・仕事を行うためには、特殊な機材が必要となり、100万円以上のお金がかかります。

特殊清掃を行うには、知識・経験・機材・資金など様々な準備が必要となりますが、社会的な意義がとても大きく、需要が増えている仕事です。この記事を通して、特殊清掃の仕事に興味がある方々のお役に立ちましたら幸いです。