「掃除をしないままアパートを出たら、必ず退去費用がかかるのかな?」

「部屋が汚いままだアパートを退去すると、どれくらいお金を取られるのだろう」

とお悩みではありませんか。

結論からいえば、日頃から掃除をしており、部屋に目立った汚れや損傷がない場合は、退去費用は請求されません。

しかし部屋がとても汚れていたり、備品が壊れたりしている場合は、部屋を元の状態に戻すのに敷金以上のお金が発生するため、高額な退去費用の支払いを求められるケースも存在します。

「退去時に支払った費用の平均額」についてのアンケート調査によれば、ワンルームでも平均で6万9,000円ものお金を支払っていることがわかっています。

引越し時はただでさえお金がかかるのに、敷金が戻ってこないだけでなく、引越し費用とは別に10万円近いお金の支払いはなるべく避けたいですよね。

そこでこの記事では、アパートを汚いまま退去した際にかかる費用相場や、退去費用をなるべく支払わずに済む方法などについて、詳しく解説します。

この記事でわかること

・退去費用の支払いが発生する「まったく掃除がされていない汚れ」のレベル感

・退去費用と修繕費用の料金相場

・アパートの退去時に確認される場所

・退去費用が高額になりやすいケース

・退去前に掃除すべき7つの場所と掃除方法

・退去時に高額請求された場合の対処法

万が一高額請求されてしまった場合の対処法も紹介しますので、これからアパートを退去予定の方は、ぜひ最後までご一読ください。

アパートを汚いまま退去したらどうなる?実際にかかった平均費用とは?

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1.アパートを汚いまま退去すると退去費用が高額になる可能性がある

 

冒頭でも少し触れたとおり、アパートを汚いまま退去すると、高額な退去費用を請求される可能性があります。

部屋が大変汚かったり、損傷がひどかったりする場合には、部屋を元の状態に戻すために、大がかりなハウスクリーニングや修繕工事が必要となるためです。

 

まずは、掃除がされていない部屋の退去費用が高額になりやすい理由や、汚れのレベル感について解説します。

 

1-1.全く掃除がされていない部屋を退去する際の退去費用は高額になりやすい

全く掃除がされていない状態でアパートを退去すると、退去費用が高額になる可能性が高いです。その理由は、部屋を借りている人には「原状回復義務」と呼ばれる、部屋の中を入居時の状態に戻す義務が存在するためです。

 

たとえば借りていたアパートのドアを壊してしまったり、壁紙を汚してしまったりした場合は、その修繕費を入居者が負担することになります。

もちろん日焼けによる壁紙の変色や、テレビや冷蔵庫裏の黒ずみなどの、経年劣化に対する修復義務はありません。

 

しかし故意に壊したものや、掃除をせず「一般的な生活で生じる以上の汚れ」があると見なされた場合は、借り主の負担として、退去費用(原状回復費用)を支払うことになってしまうのです。

高額な退去費用の支払いを避けるためには、退去前にある程度の掃除を行ない、なるべく部屋の中をきれいな状態に戻しておきましょう。

 

【退去費用とは?】

 

そもそも退去費用とは、部屋を元に戻すための「原状回復費用」と、クリーニング代などの「契約書の特約に記載された費用」の合計額が、敷金以上になった場合に発生するお金です。

 

詳しくは、以下の図をご覧ください。

 

ちなみに「特約に記載された費用」とは、一般的には大家さんの負担とされるものであっても、特別に入居者負担と定められる費用のことです。

 

たとえば「クリーニング代は一律◯万円」と契約書に記載されている場合は、入居者がその金額を支払う必要があります。

 

 

部屋の汚れや損傷が箇所が少ない場合は、修繕費やクリーニング代を敷金だけでまかなえるため、退去費用の支払いは必要ありません。

 

しかし部屋の汚れや損傷がひどい場合は、事前に支払っておいた敷金以上の金額が必要となるため、退去費用の支払いを求められるのです。

 

よって部屋が汚い場合や備品が壊れている場合は、敷金が戻ってこないか、追加での支払いを求められると考えた方が良いでしょう。

 

1-2.全く掃除がされていない汚れのレベルとは?


では、退去費用が高額になりがちな「汚い部屋」とは、どの程度の汚さを指すのでしょうか。

ここでの汚さとは、全く掃除がされていない、あるいはペットの飼育や喫煙などにより、部屋中にひどい汚れや匂いが染み付いているケースが当てはまります。

 

具体的にいえば、室内が以下のような状況になっている場合です。

 

・ガスコンロやキッチン周辺に、スポンジで擦った程度では落ちない油汚れがべっとり付着している

・壁紙に広範囲にわたってカビが発生している

・タバコのヤニで壁紙が変色している

 

汚れのレベル感について、画像でも詳しく確認してみましょう。

左側は、ガス台やキッチン周辺に汚れがべったり付着していて、清掃業者による念入りな掃除が必要なケース。右側は、壁や床に発生したひどいカビによって、広範囲に渡ってクロス(壁紙)やフローリングの貼り替えが必要なケースです。

「掃除をしていないだけで、こんなにカビが発生することはないでしょう」と思うかもしれませんが、結露が原因で、知らないうちにカビが発生していることも多いです。

 

普段から掃除をしていないと、カビの発生が遅れ、気がついたときには広範囲にまで広がってしまっているかもしれません。

管理会社や大家さんの見立てにもよりますが、上記の写真のような状態になっている場合は、退去費用が発生する可能性が非常に高いです。

 

特にハウスクリーニング代とあわせて、クロスやフローリングの貼り替えなどの修繕も必要な場合は、数万円〜数十万円の退去費用がかかると考えた方が良いでしょう。

なお退去費用が高額になりやすい具体的なケースについては、「3.アパートの退去時に確認される場所と退去費用が高額になりやすいケース」にて詳しく紹介します。

 

どのような場合に高額請求されるのか知りたい場合は、先に上記の見出しをチェックしてみてください。

1-3.退去費用の発生基準は管理会社や大家さんによって異なる

ここまで退去費用が発生する汚れのレベルについて説明しましたが、管理会社や大家さんによって退去費用の発生基準が異なる点には注意が必要です。

 

基準が異なる理由は、

 

・部屋の契約形態(特約の有無)

・修繕が必要な度合い

・管理会社の担当者や大家さんが感じる汚さのレベル

 

によって発生する費用がバラバラなためです。

 

先程も少し触れたとおり、一般的には大家さんの負担とされるものであっても、「クリーニング代は一律◯万円」などと契約書に記載されている場合は、入居者がその金額を支払う必要があります。

また「どのレベルが汚いと感じるか」については、部屋をチェックした管理会社や大家さんによっても異なるため、前章で紹介した画像のレベルまで汚れていない場合でも、退去費用の支払いを求められるかもしれません。

 

よって「こんなに汚れていないし、カビも生えてないから大丈夫でしょう」と思わずに、できる範囲できれいな状態に戻しておくことをおすすめします。

 

【「原状回復ガイドライン」で大家側の負担になっているものは支払う必要がない】

 

ただしケースによって請求される値段が異なるとはいっても、国土交通省が公開している「原状回復ガイドライン」に、「大家側の負担になる」と記載されているものについては、基本的には支払う義務はありません

 

原状回復ガイドラインとは、賃貸物件における修繕等の原状回復について、入居者負担になるものと、大家さんの負担になるものを明記したマニュアルのようなものです。

 

管理会社や大家さんによっては、大家側の負担になるとわかっているものでも、退去費用として請求してくる場合もあります。

 

もし高額な退去費用を請求されてしまった場合の対処法については、「5.アパート退去時に高額請求された場合の対処法」にて詳しく解説していますので、ぜひ退去前に確認しておいてください。

 

2.退去費用の料金相場

 

この記事を読んでいる方の中には、「うちは汚いし、かなり退去費用がかかりそうだな......」と感じている方もいるのではないでしょうか。

では実際に退去費用を請求された人は、どの程度の金額を支払っているのでしょう。

 

ここでは、実際に支払われた退去費用の相場と、退去費用の内訳について解説します。

2-1. 実際に支払われた退去費用の相場

まずは、実際に支払われた退去費用の平均金額について注目してみましょう。

以下の表は、楽天リサーチ株式会社が実施した「引越しに関する実態把握調査」による、部屋の間取り別の退去費用の平均額です。

 

部屋の間取り別 退去時に追加で支払った平均額

広さ

平均金額

ワンルーム

6万9,000円

1K

7万6,982円

1DK

9万1,033円

出典:suumo 引越し見積もり

 

表からもわかるように、部屋が広くなるほどクリーニング代が高くなるほか、傷や汚れがついた場所も増えるため、金額が高くなる傾向にあります。

敷金だけではクリーニング代や修繕費が足りず、ワンルームでも7万円近い金額を支払うケースがあると考えると、部屋が汚かったり、修繕箇所が多かったりする場合の追加費用の高さを実感しますよね。

 

ただ7万円近いお金を支払ったとはいっても、「そもそも何にそこまでお金がかかるのだろう」と感じる方も多いかもしれません。費用の内訳を確認するために、次項では退去費用の内訳について確認していきましょう。

 

2-2. 退去費用の内訳

以下の表は、賃貸物件の退去時における、退去費用の内訳を作業内容別にまとめたものです。

金額は一般的なものを記載しているため、工事を担当する業者によっても異なりますが、大体この程度の金額が発生するケースが多いと考えてください。

 

退去費用の内訳

作業内容

費用の目安

壁紙の貼り替え

800円〜1,000円/㎡

壁紙の全面貼り替え

40,000円〜65,000円/6畳

床材の貼り替え

8,000円〜10,000円/枚

フローリングの貼り替え

80,000円〜150,000円

柱の修繕

10,000円〜50,000円/本

トイレの水垢やカビの清掃

5,000円〜8,000円

お風呂の水垢やカビの掃除

10,000円〜20,000円

ハウスクリーニング

20,000円〜50,000円/ワンルーム・1K

 

上記の費用を確認すると、ひとつひとつの単価はそれ程高くないため、「いくつか修繕が必要でも、そこまで高額にはならないのでは?」と感じるかもしれません。

たしかにひとつ当たりの金額はそれほど高くありませんが、フローリングや壁紙の貼り替えが必要になる場合は、思わぬ高額な支払いを求められるケースがあるため、注意が必要です。

 

フローリングや壁紙には、

 

・全面の貼り替えが必要なタイプ

・1部のみの貼り替えが可能なタイプ

 

の大きく2種類が存在します。

 

1部のみ貼り替えが可能なタイプであれば、汚れた部分や破損した部分のみを剥がし、1㎡単位の修繕費を支払うだけで済みます。

しかし全面を貼り替えるタイプの場合は、汚れていない部分を含む全てを剥がす必要があるため、修繕費が高くなってしまうのです。

 

たとえば6畳のワンルームで「壁紙の全面貼り替え+ハウスクリーニング+柱の修繕(1本)」が必要な場合について計算してみると、70,000円〜165,000円の修繕費用が必要になります。

このように考えてみると、追加で10万円以上の支払いが必要になるケースがあることも、納得できるのではないでしょうか。

 

「部屋が汚いまま退去しても、そこまで高い金額は請求されないでしょう」と思わずに、退去費用を請求されるリスクを把握しておくことが重要です。

3.これだけはチェックしてほしい!アパートの退去時に確認される場所

 

「退去時に高額な退去費用が発生するかもしれない」と聞いて、最も気になるのが、確認される場所ですよね。

アパートの退去時に確認される場所や、退去費用が高額になりやすいケースはある程度決まっています

 

ここでは退去時に確認される場所と、退去費用が高額になりやすいケースを紹介します。

「部屋が汚いまま退去しても大丈夫かな?」「具体的にどこが汚いとまずいのだろう」と不安を感じている方は、ぜひ確認してみてください。

 

3-1.退去時に確認される場所

アパートの退去時には「立会い」と呼ばれる作業が行なわれ、管理会社の担当者や大家さんが、部屋の中の状況を確認します。

 

確認される場所は、主に以下のようなところです。

 

立会い時に確認される場所

・クロス(壁紙)の汚れや傷

・床(フローリング)の汚れや傷

・網戸の破損

・ドアの開閉に問題がないか

・ウォシュレットやエアコン、換気扇、浴室乾燥機などの備品の動作確認

・タバコ臭やヤニによる黄ばみ

・水回りのカビや汚れ

 

上記の確認により、「日常の手入れが不適切で汚れている」「備品の破損や紛失が認められる」と判断された場合には、入居者がクリーニング代や修復費を負担することになります。

 

たとえば、

 

・壁紙に大きな汚れがある

・水回りにひどいカビが発生している

・ドアがスムーズに開閉しない

 

といった入居者の不注意や過失で発生した汚れや破損は、入居者負担となるためです。

 

破損などは今から修理することは難しいですが、クロスや床に汚れがある場合は、事前に掃除をしておくことで、退去費用を抑えられる可能性があります。

なお具体的な掃除方法については、次項「アパート退去前に掃除すべき7つの場所と掃除方法」にて紹介します。

 

3-2.退去費用が高額になりやすい状態とは?

立会いによって部屋を確認されるとはいっても、汚れが軽度であったり、それ程大掛かりな修繕が必要ではない場合は、敷金の範囲内に収まることが多いです。

しかし以下のようなケースに当てはまる場合は、退去費用が特に高額になりやすく、数十万円〜数百万円の費用を請求されることもあります。

 

今更どうにもできないケースもあるかと思いますが、ひと通り目を通してみてください。

 

退去費用が高額になりやすいケース

・タバコ臭やヤニがひどく、クロスを全て貼り替える場合

・結露の放置によってカビやシミが拡大し、クロスやフローリングが劣化した場合

・壁や床に大きな凹み傷がある場合

・ペット不可物件でペットを飼育し、ペット臭や壁の引っかき傷がある場合

・特殊なカギを紛失、破損した場合

 

2.退去費用の料金相場」でも説明したとおり、クロスやフローリングの大部分の貼り替えが必要になる場合は、修繕費用が高額になりがちです。

特にペットを飼育していた場合は、壁や柱が爪とぎによって傷んでいたり、クロスだけでなく部屋全体に臭いが染み付いていたりするケースも多いです。

 

上記に1つでも当てはまっているほか、クロスやフローリングの広範囲の貼り替えが必要になりそうな場合は、退去費用が高額になると考えた方が良いでしょう。

「退去費用が高くなる」と聞くと、がっかりしてしまうかもしれません。

 

しかし自分にできる範囲で掃除を行えば、修繕が必要な場所は壊れている場所やカビが生えている場所に限定されるため、多少は退去費用を安くできる可能性が高まります

次項では、アパートの退去前に掃除すべき場所と、各場所の掃除方法について詳しく解説します。

必要な掃除用具と手間がなるべく少ない方法を紹介しますので、少しでも退去費用を安くするため、ぜひ試してみてください。

 

4.アパート退去前に掃除すべき7つの場所と掃除方法

 

アパートの退去前には、以下のような場所の掃除をしておくことがおすすめです。

もちろん「掃除をすれば必ず退去費用が安くなる」とは言い切れませんが、掃除をすることで、余分な退去費用を支払わずに済む可能性が高まります

 

ここでは以下の7つの場所について、必要な掃除用具と手間がなるべく少なく強力な掃除方法を紹介します。

 

掃除をすべき場所

・壁紙

・床

・窓

・キッチン

・浴室

・洗面台

・トイレ

 

退去費用を少しでも減らすためにも、ぜひ取り組んでみてください。

 

4-1.壁紙

壁紙には油などのベタベタとした汚れや、カビ・タバコのヤニなどが多く付着しています。

 

ヤニは一回付着してしまうと除去が難しいものの、カビやベタベタ系の汚れであれば、掃除によってある程度きれいにすることが可能です。

ただし力任せに擦ると壁紙を痛めてしまうので、掃除をする際はあまり力をいれすぎず、取れない汚れはそのままにしておきましょう。

 

ここでは、壁紙にカビやベタベタ系の汚れが付着してしまった場合の掃除方法を紹介します。

 

<掃除用具>

・雑巾2枚

・台所用中性洗剤

・カビキラーなどの漂白剤

・使い古した歯ブラシ

 

壁紙の掃除方法は、以下の通りです。

 

<掃除方法>

・まずは壁を乾拭きする

・水に濡らしてし硬くぼった雑巾に、洗剤を数滴垂らす

・壁を上から下に拭く

・カビがある場合は、歯ブラシに漂白剤をつけてやさしくこする

・雑巾を水洗いして硬くしぼり、水拭きする

・乾いた雑巾で水分を拭き取る

 

アパートの壁紙には、ほとんどの場合「ビニールクロス」と呼ばれる水を弾く素材が使用されているため、基本的には水拭きをしても問題ありません。

しかし、びちょびちょに濡れた雑巾で壁を拭いたり、長時間壁紙が濡れたままの状態で放置したりすると、壁紙が傷んでしまうことがあります。

 

拭き掃除をする際には、必ず雑巾を硬くしぼり、仕上げの乾拭きも忘れないように行ないましょう。

4-2.床

床には食べかすやホコリ・ゴミなどが蓄積し、汚れがこびりついてしまっています。

あまり掃除をしていない場合は、ベタベタとした汚れはもちろん、カビが発生しているケースも多いです。

 

床は拭き掃除をメインに、必ず掃除を行ないましょう。

 

<掃除用具>

・掃除機

・雑巾2枚

・台所用中性洗剤

 

床の掃除方法は、以下の通りです。

 

<掃除方法>

・掃除機をかけて大まかなゴミを吸い取る

・水に濡らして硬くぼった雑巾で、床を端から拭く

・ベタベタした汚れがある場合は、薄めた洗剤を含ませた雑巾で軽くこする

・カビが発生している場合は、「3」の後に、アルコールを吹きかけて雑巾で拭き取る

・雑巾を水洗いして硬くしぼり、水拭きする

・乾いた雑巾で水分を拭き取る

 

フローリングにマットやカーペットを敷いていた場合は、床とマットの間にカビが生えていることもあります。

カビが発生している場合は、薄めた洗剤を含ませた雑巾で拭いた後に、アルコールを吹きかけて雑巾で拭き取りましょう。

ここで注意したい点は、フローリングの材質によっては、アルコールによって色落ちしてしまうケースがあることです。

カビ取りにアルコールを使う場合は、まずは目立たない場所に吹きかけてみて、色落ちなどの変化がないか試してみてから使用してください。

4-3.窓

窓にはホコリや花粉・排気ガスなどの様々な汚れが付着しています。

ガラスが白く曇っていると部屋全体が汚れている印象を与えるため、簡単な掃除をして、きれいな状態に戻しておきましょう。

 

<掃除用具>

・新聞紙

・水

 

窓の掃除方法は、以下の通りです。

 

<掃除方法>

・新聞紙を丸め、水に濡らす

・濡れた新聞紙を左右に動かし、窓ガラスを拭く

・乾いた新聞紙を丸め、乾拭きする

 

窓を掃除する際は、新聞紙を使用した掃除方法が最も手軽で効果的です。

新聞紙が窓掃除に向いている理由は、新聞紙に含まれる繊維が汚れを吸着しやすいほか、インクには艶出し効果があるためです。

 

あまり強い力を入れてこするとガラスに傷がつく原因となるため、軽く動かしながら掃除をしてみてください。

4-4.キッチン

キッチンには飛び跳ねた油や食べかすなど、ベタベタとした汚れがとても多く付着している場所です。

「五徳の周辺がギトギト」「茶色い汚れがべったりこびりついている」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

 

キッチンの汚れは家の中でも特にしつこく、汚れを放置したまま立会いを迎えると、高額なハウスクリーニング代が発生する原因にもなります。

ここでは、短時間でしつこい汚れを取り除ける方法を紹介しますので、なるべく優先して掃除に取り組んでみてください。

 

<掃除用具>

・オキシクリーンなどの酸素系漂白剤

・スポンジ

・台所用中性洗剤

・雑巾またはマイクロファイバークロス

・ゴム手袋

 

キッチンの掃除方法は、以下の通りです。

 

<掃除方法>

・排水溝に栓をする(ない場合は水を入れたビニール袋を置く)

・40℃程度のお湯をシンクに半分程度溜める

・大さじ2杯程度の酸素系漂白剤を溶かす

・五徳などの汚れたものを入れる

・2〜5時間程度つけ置きする

・つけ置きしている間に、食器用洗剤を垂らしたスポンジで五徳周辺を磨く

・濡れた雑巾やマイクロファイバークロスでで五徳周辺の拭き掃除をする

・洗浄液を流し、軽くこすりながら水ですすぐ

 

普段から掃除をしていない場合、キッチンの汚れは固まってしまい、少し擦った程度では全く落ちません。

しつこい汚れを短時間で取り除くため、つけ置き洗いを行なって、短時間で掃除を済ませましょう。

 

つけ置き洗いは、汚れたパーツを洗浄液に入れて放置するだけで作業が完了するため、つけ置きをしている間に、他の掃除を済ませることもできます。

オキシクリーンなどの酸素系漂白剤を活用して、効率良く作業を進めることがポイントです。

4-5.浴室

毎日使用する浴室は、皮脂汚れや石鹸カスなどのほかにも、大量のカビが発生している場所です。

ほんの少しのカビであれば問題ありませんが、壁やタイルなどに大量のカビが生えている場合は、カビを取り除く特別な作業が必要となり、高額な退去費用が発生します。

 

カビの量によっては自身での除去は難しいケースはあるものの、ここで紹介するパック方法を試すことで、ある程度薄くすることは可能です。

退去費用を少しでも安くするため、掃除の際は、必ずカビ取りもあわせて行ないましょう。

 

<掃除用具>

・スポンジ

・浴室用中性洗剤

・使い古しの歯ブラシ

・カビ取り剤

・キッチンペーパー

・ラップ

 

浴室の掃除方法とカビ取り方法は、以下の通りです。

 

<掃除方法>

・浴槽にお湯をかけて全体を濡らし、汚れを取れやすくする

・洗剤を適量出し、スポンジで円を描くように軽くこする

・細かい部分は使い古しの歯ブラシを使ってこする

・シャワーをかけて洗剤をよく流す

 

<カビ取り方法>

・カビが生えている場所の水分を拭き取る

・カビが生えている場所にカビ取り剤を吹きかける

・カビ取り剤の上からキッチンペーパーをかぶせる

・その上からさらにラップをかぶせる

・15分程度放置する

・ラップとキッチンペーパーをはがす

・水をかけ、カビ取り剤を洗い流す

 

カビは発生後に放置すると根を生やすため、どんどん取れにくくなってしまいます。

しつこいカビを根本から除去するためには、キッチンペーパーを用いたパックを行ない、時間をかけてカビ取り剤を浸透させましょう

その際注意したいポイントは、カビ取り剤を吹きかける場所は必ず水分を拭き取っておき、濡れたままカビ取りを行なわないことです。

 

濡れている場所にカビ取り剤をかけると、洗剤の効果が薄まってしまい、なかなかカビを取り除けません。

カビ取り剤を使用する前には、良く水分を拭き取ってから掃除を行なってください

4-6.洗面台

洗面台は、特に洗面ボウルの中に汚れがたまっています。

入居時は白かった洗面ボウルに、ピンク色の菌や黒カビが発生している方も多いのではないでしょうか。

時間がかかる水回りの掃除は、キッチンと同じく酸素系漂白剤のつけ置き洗いで、一気に掃除を済ませましょう。

 

<掃除用具>

・オキシクリーンなどの酸素系漂白剤

・スポンジ

・台所用中性洗剤

・雑巾またはマイクロファイバークロス

・ゴム手袋

 

洗面台の掃除方法は、以下の通りです。

 

<掃除方法>

・排水溝に栓をする(ない場合は水を入れたビニール袋を置く)

・40℃程度のお湯を溜める

・大さじ1杯程度の酸素系漂白剤を溶かす

・ゴム手袋をした手でよくかき混ぜる

・30分〜1時間程度つけ置きする

・つけ置きしている間に、つけ置き液で洗面台周りの拭き掃除をする

・濡れた雑巾やマイクロファイバークロスで拭き取る

・洗浄液を流し、軽くこすりながら水ですすぐ

 

洗面台を掃除する際は、つけ置き液を使って、蛇口やその周辺の拭き掃除を行なうことがおすすめです。

つけ置き液には汚れが落ちやすくなる成分が含まれているため、ただ単に洗剤を含ませたスポンジや雑巾でこするよりも、より短時間できれいな状態を取り戻せます。

 

また拭き掃除をした後は、漂白剤の成分を残さないため、濡れた雑巾やマイクロファイバークロスで必ず仕上げ拭きを行なってくださいね。

4-7.トイレ

トイレもキッチンや洗面台と同様に、汚れがかなり溜まっている場所です。

特に便器の中の黒ずみは大変目立つため、蓋を開けた際に黒ずみがあると、「かなり汚れているトイレ」といった印象を与えてしまいます

黒ずみや尿ハネなどの目立つ汚れは、立会い前にできるだけ取り除いておきましょう。

 

<掃除用具>

・トイレ用掃除シート

・トイレ用塩素系漂白剤

・トイレブラシ(ブラシタイプがおすすめ)

・消毒用アルコール

・ゴム手袋

 

トイレの掃除方法は、以下の通りです。

 

<掃除方法>

・トイレ用掃除シートで全体を拭く(壁→タンク→便座→床の順番)

・黒ずみがある部分に漂白剤をかける

・3分程度放置する

・一旦水を流す

・残った黒ずみはトイレブラシを使ってこすり落とす

 

トイレで忘れずに掃除を行ないたい場所は、床や壁です。

 

便器だけを掃除すれば良いと思いがちですが、床や壁には尿が飛んでいるなど、思いの外汚れていたり、臭いの発生源となっていたりすることが多いです。

トイレ用掃除シートで拭くだけで問題ありませんので、床や壁の掃除も忘れずに行ないましょう。

5.アパート退去時に高額請求された場合の対処法

 

ここまで、退去前に行なっておきたい掃除方法について紹介しました。

ただし掃除を丁寧に行なって退去しても、予想以上に高額の退去費用を請求されるケースもあります。

 

先程も少し触れたとおり、大家さんや管理会社の中には、入居者側の負担にならない項目についても退去費用を請求することがあるためです。

もし「高すぎて支払えない」「不当な請求では?」と感じた際は、ここで紹介する3つの対処法を順番に試してみてください。

 

高額請求された場合の対処法

・管理会社や大家さんと交渉する

・消費生活センターに相談する

・民事調停を申込む

 

5-1.管理会社や大家さんと交渉する

最初に行ないたいことは、管理会社や大家さんとの交渉です。

退去費用の請求書には「クリーニング代:〇〇円」といった明細が記載されているため、まずは明細を確認しましょう。

 

その際に重要なポイントは、国土交通省が公開している「原状回復ガイドライン」や入居時の契約書と照らし合わせながら確認することです。

先程も少し紹介したとおり、たとえば「カーペットのシミ」や「結露を放置して拡大してしまったカビ」は入居者負担になりますが、

「家具の設置による床やカーペットのへこみ」や「冷蔵庫裏の黒ずみ」などは大家さんの負担となります。

 

つまりガイドラインに「大家側の負担」として掲載されているにも関わらず、退去費用として請求されている部分については、交渉にすれば、支払わずに済む可能性が高いです。

明細書をもらったら、本当に自分が支払うべき費用かどうか、請求内容について詳しく確認しましょう。

 

【交渉は必ず書類にサインをする前に行なおう】

 

管理会社や大家さんと交渉する際の注意ポイントは、必ず書類にサインをする前に行なうことです。

 

立会い時には立ち会いに関する書類にサインを求められますが、この際書類にサインをしてしまうと、内容を認めたことになってしまいます

 

よって請求内容に納得できない場合は、その場でのサインは避けましょう。

 

しつこく署名を求められるケースもありますが、少しでも納得できないと思った場合には「サインはできない」と伝え、管理会社や大家さんに説明を求めることが重要です。

 

またそれでも解決できない場合は、サインをしていない状態のまま、次で紹介する消費生活センター等への相談がおすすめです。

 

5-2.消費生活センターに相談する

消費生活センター等に相談する方法も、対処法のひとつです。

管理会社や大家さんと交渉するとはいっても、交渉が難しかったり、何を話せば良いのか不安を感じていたりする方も多いでしょう

またせっかく交渉しても、断られてしまうケースもあるかもしれません。

 

このようなケースでは、以下のような施設へ相談することがおすすめです。

 

・消費生活センター

・日本消費者協会

・日本賃貸住宅管理協会

 

上記の施設では、無料で相談にのってもらうことが可能です。相談に行く場合は、入居時の契約書や退去費用の請求書・明細書・室内の写真などを持って行きましょう

なお、どの施設に行くべきか迷った際には、全国にある「消費生活センター」が便利です。

 

似た施設に「国民生活センター」がありますが、こちらは来訪などによる消費生活相談は受け付けていないため、必ず消費生活センターを利用してください。

お近くの消費生活センターは、こちらの国民生活センターのサイトで確認できます。高額請求で悩んだ場合は、ぜひ一度相談してみてください。

 

5-3.民事調停を申込む

残念ながら、消費生活センターなどに相談しても、退去費用を下げることができないケースもあります。

もし上記2つの方法を試しても難しい場合は、民事調停の利用を検討することもひとつの方法です。

 

調停とは、話し合いによってお互いが納得できる方法を考え、課題を解決する手続きのことです。

当事者双方が呼び出され、裁判官や専門家と一緒に問題解決に向けて話し合うことができます。

 

なんだか難しそうなイメージがあるかもしれませんが、簡易裁判所の申請書に記入するだけで、手続きを行なうことができます

また手数料も500円〜1,000円程度と、通常の裁判のように高額な費用を請求されることもありません。

 

申立てを行ないたい場合は、原則として、相手方の住所のある地区の簡易裁判所に申し立てることになりますが、事件の種類によっては例外もあります。

もしわからないことがあれば、最寄りの簡易裁判所に尋ねてみてください。

 

お近くの裁判所は、こちらの裁判所のサイトにて確認できます。不明点がある場合は、一度近くの簡易裁判所に電話をしてみることをおすすめします。

 

【アパートを退去する時に明らかに原状回復が必要な部屋は、事前に掃除もアリ!】

 

「これからアパートを退去するけど、この部屋の状態だと明らかに退去費用を請求されそうだな......」と感じている場合は、事前にハウスクリーニングを依頼することがおすすめです。

 

たとえば以下のようなケースに当てはまる場合は、退去前に清掃業者への依頼を検討すると良いでしょう。

 

・キッチンの汚れがひどくて、とても自分では掃除できそうにない場合

・そもそも家の中がゴミだらけで、何から手を付けて良いかわからない場合

 

もし汚いまま立会いをすると、管理会社や大家さんの指定した業者での清掃となるため、余計なオプション等がついており、高額な支払いを求められるケースも存在します。

 

一方自分で清掃業者へ依頼すれば、好きな業者を選べるほか、プランなども指定できるため、最低限のお金を支払うだけで、部屋を元のきれいな状態に戻すことができます。

 

もし「立会い前にできるだけ早く部屋をきれいにしたい」とお悩みの場合は、ぜひ当サイト「みんなの遺品整理」をご活用ください。

 

当サイトは全国700社以上の片付け・清掃業者と提携しており、電話相談や簡単なネット見積もりだけで、ご希望の条件にぴったりあった1社を迅速に探し出すお手伝いをさせていただきます。

 

依頼内容や住所・間取りなど基本的な情報を入力するだけで、希望にあう業者選びから、最大3社の見積もり手配までサポートいたします。

 

また一般的なハウスクリーニングとは異なり、カビ取りやゴミの処理のプロフェッショナルが多数在籍しているため、短時間できれいを取り戻すことが可能です。

 

複数の業者に見積もりを依頼し、最も安い業者に清掃をお願いすれば、退去費用の支払額を大幅に抑えられる可能性が高まります

 

「部屋が汚いから高額な費用を請求されたらどうしよう」とご不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

 

6.まとめ

この記事では、アパートを汚いまま退去した場合の退去費用相場や、退去費用を減らすための掃除手順について紹介しました。

不注意や過失で発生した汚れや破損は借り主負担となるため、アパートを汚いまま退去すると、退去費用として高額な支払いを求められるケースがあります

 

なお退去費用と修繕費用の目安は、以下のとおりです。

 

部屋の間取り別 退去時に追加で支払った平均額

広さ

平均金額

ワンルーム

6万9,000円

1K

7万6,982円

1DK

9万1,033円

 

退去費用の内訳

作業内容

費用の目安

壁紙の貼り替え

800円〜1,000円/㎡

壁紙の全面貼り替え

40,000円〜65,000円/6畳

床材の貼り替え

8,000円〜10,000円/枚

フローリングの貼り替え

80,000円〜150,000円

柱の修繕

10,000円〜50,000円/本

トイレの水垢やカビの清掃

5,000円〜8,000円

お風呂の水垢やカビの掃除

10,000円〜20,000円

ハウスクリーニング

20,000円〜50,000円/ワンルーム・1K

 

ひとつひとつの値段はあまり高くなくても、複数箇所の修繕や部屋全体のクリーニング代が必要になることで、数十万円もの支払いを求められるケースも多いです。

事前にできる範囲での掃除を行ない、汚れている場所を減らしておきましょう。

 

また請求金額があまりに高額と感じた場合には、大家さんや管理会社と交渉するほか、国民生活センターなどへの相談も効果的です。

「高すぎる」と感じた際は、まずは頼れる機関への相談をおすすめします。

 

この記事を参考に、あなたが高額な退去費用の支払いを避け、アパートを無事退去できることを願っています。

 

【監修者:一般社団法人遺品整理士認定協会】

遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。

遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。

法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。

 

【執筆者:みんなの遺品整理事務局】

東証プライム市場上場の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。

はじめての遺品整理でも、専門知識が豊富な相談員が中立な立場で、無料アドバイスをさせていただきます。大切な人の生きた証を残しつつ、気持ちよく次の世代へ資産や遺品を引き継ぐために、私たちは、お客様一人一人に最適なお手伝いができる情報提供・業者のご提案を致します。

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