特殊清掃とは、孤独死や自殺などがあった部屋や建物の清掃です。遺体の腐敗臭の消臭や、体液から発生する汚れを取り除いたり、害虫駆除なども行う文字通り特殊な清掃です。ここでは、特殊清掃の具体的な内容や、料金や費用の相場などについて解説していきます。

【動画で解説!】特殊清掃の料金相場 まとめ
特殊清掃とは
特殊清掃の具体的な内容には、次のようなものがあります。
1.消臭・汚れ落とし
遺体のあった場所の壁や床などの汚れを落とすほか、体液の染み付いた布団や家具なども片付けていきます。専門の機器やオゾンなどの脱臭剤を使用して、徹底的に臭いを取り除きます。
2.害虫駆除
遺体から流出した体液は、ハエやゴキブリなどの害虫を発生させる元となります。害虫が部屋の外に出ないようにしながら、殺虫剤などで完璧なまでに駆除します。
3.リフォーム
特殊清掃では、汚れを落とすだけでなく、体液が染み付いた壁や床を新しいものに貼り替えます。状況によっては、壁紙の下の石膏ボードや、床板そのものを交換することもあります。
4.遺品整理
特殊清掃では遺品整理も重要です。遺品整理とは、故人の持ち物を形見の品と不用品に分ける作業のことをいいます。腐敗臭や汚れがついた家具や持ち物の場合、きちんと汚れを落として消臭をしながら、遺品整理を進めていく必要があります。
特殊清掃の費用相場
業者によって料金体系が異なる
間取り別に料金を設定している業者、回収量ごとに料金を設定している業者、パック料金を設定している業者など、業者によって料金の算出方法は異なります。
【遺品整理】間取り別の料金目安
間取り | 料金相場 | 作業人数 | 作業時間 |
---|---|---|---|
1R・1K | 30,000円~80,000円 | 1~2名 | 1~3時間 |
1DK | 50,000円~120,000円 | 2~3名 | 2~4時間 |
1LDK | 70,000円~200,000円 | 2~4名 | 2~6時間 |
2DK | 90,000円~250,000円 | 2~5名 | 2~6時間 |
2LDK | 120,000円~300,000円 | 3~6名 | 3~8時間 |
3DK | 150,000円~400,000円 | 3~7名 | 4~10時間 |
3LDK | 170,000円~500,000円 | 4~8名 | 5~12時間 |
4LDK以上 | 220,000円~600,000円 | 4~10名 | 6~15時間 |
※上記金額は作業費を含む人件費・車両費・回収運搬費・廃棄物処分費をあわせた概算費用となります。
※ゴミ屋敷清掃や特殊清掃が必要な現場の場合、料金が大きく変わります。
特殊清掃+遺品整理の場合
特殊清掃に加えて遺品整理も依頼する場合には、遺品整理の料金に特殊清掃の作業料金が加算される形で料金が算出されるケースが多いです。
特殊清掃は、部屋やご遺体の状況によって必要な作業内容が大きく変化するため作業ごとに料金が細かく分けられています。主な作業の料金相場を紹介しましょう。
【特殊清掃】作業内容ごとの料金例
作業内容 | 作業費用 |
---|---|
床上清掃 | 30,000円〜 |
浴室清掃 | 30,000円〜 |
消臭剤・除菌剤の散布 | 10,000円〜 |
汚れた畳の撤去 | 1枚:3,000円〜 |
オゾン脱臭 | 1日:30,000円〜 |
汚物撤去 | 20,000円〜 |
害虫駆除 | 10,000円〜 |
作業員の人件費 | 20,000円〜 |
オゾン脱臭など、より強力な清掃を依頼すると、料金が高くなることがわかります。遺品の回収も依頼すればさらに高額になるため、どこまで原状回復してもらうかは、よく検討しなければなりません。
基本的な内容をセットにしたパック料金が用意されていることも多いので、必ず見積もりを取りましょう。
また、同じ作業であっても、特殊清掃の業者ごとに設定金額が異なります。部屋の状況次第でも料金は大きく変わります。特に遺体が放置されてしまい、フローリングやコンクリートまで体液がしみこんでしまうと料金が大きく変わります。
リフォームやオゾン脱臭が必要だと料金も高くなる
オゾン脱臭は、部屋全体に蔓延している遺体の腐敗臭を除去するために使用されます。遺体から流れ出た体液が床下や壁の奥まで到達している場合、壁紙やカーペットなどを貼り替えるだけでは臭いが除去されません。
そのため、床板や基礎部分の石膏ボードなども新しいものに交換することになります。当然その分の料金も上乗せされます。
またフローリングの張替えや、フローリングの下の基礎部分をリフォームしないといけない場合は100万円を超えるケースも発生します。そのため特殊清掃現場では素早く作業することが求められています。
【特殊清掃】消臭時間・特殊清掃時間と料金の例
特殊清掃の現場では、床上清掃、消臭、害虫駆除、オゾン脱臭など、いくつかの作業が必要となります。
特殊清掃作業時間、消臭時間と料金の目安は次の通りです。こちらの特殊清掃・消臭作業代には、床上清掃や消臭、害虫駆除といった作業料金も含まれています。
間取り | 特殊清掃作業時間 | 消臭時間 | 特殊清掃・消臭作業代 |
---|---|---|---|
1R | 1.5時間 | 4時間 | 60,000円 |
1R | 3時間 | 6時間 | 60,000円 |
1DK | 4時間 | 48時間 | 60,000円 |
1R | 4時間 | 12時間 | 80,000円 |
1R | 2.5時間 | 72時間 | 95,000円 |
※上記の時間、料金は一例です。同じ間取りであってもご遺体の状況、死後経過日数によって料金は左右します。より正確な料金を知っていただくためにも、事前にお見積もりをとることをおすすめ致します。
作業料金実例①:特殊清掃のみの場合
現場状況 | ユニットバストイレでの孤独死。死後5日経過 |
---|---|
間取り | 1R |
特殊清掃:作業内容 | 消臭、オゾン脱臭、浴室清掃等 |
特殊清掃:作業時間 | 1.5時間 |
消臭時間 | 4時間 |
特殊清掃代・消臭作業代 | 60,000円 |
作業人数 | 2名 |
作業総額 | 60,000円(税別) |
作業料金実例②:特殊清掃+遺品整理の場合
現場状況 | 台所での孤独死。死後3週間経過 |
---|---|
間取り | 1DK |
特殊清掃:作業内容 | 床上清掃、消臭、害虫除去等 |
特殊清掃:作業時間 | 4時間 |
消臭時間 | 48時間 |
特殊清掃代・消臭作業代 | 60,000円 |
遺品整理作業時間 | 3時間 |
遺品整理作業代 | 60,000円 |
作業人数 | 4名 |
作業総額 | 120,000円(税別) |
業者に依頼する場合の依頼・作業の流れ
実際に特殊清掃を業者に依頼される場合の、依頼・作業の流れをご紹介します。現場がどのような状況かによって、依頼するまでの流れが異なります。
1. 孤独死・自殺現場の場合
ご遺体が現場に残されている場合、まず警察に連絡しましょう。警察が「検視」を行い、事件性の有無や死因の特定などを行います。これが終わるまで、現状はそのままにしておかなくてはいけません。
2. 不動産会社・管理者への連絡
現場への立ち入りができる状況になったら、すぐに管理している不動産会社・賃貸の大家さんなどに連絡・相談しましょう。原状回復が原則ですが、どこまでの修復が必要か、線引きをどこに置くかなどをしっかりと確認する必要があります。
もし現場に入室する場合、遺体から広範囲に体液が染み出している場合や、強い異臭、ハエなど多くの害虫が発生している可能性があります。その場合、病気の感染などを引き起こすことがあるため、状況が酷い場合は、害虫駆除などを先に行っておきましょう。
もし自分での交渉がしづらい場合
大家さん、不動産会社との直接の交渉が難しい場合、その交渉を代行してくれる特殊清掃業者もあります。
当サイト「みんなの遺品整理」でも、交渉を代行してくれる特殊清掃業者をご紹介しています。お悩みの方は、お気軽にご相談ください。
3. 特殊清掃業者に連絡・見積もり
管理者の方との話し合いが済んだら、特殊清掃業者に実際に問い合わせます。どういった状況か、どの状況まで修復するかなどを伝えます。
しかし、現場の状況や様子などを、電話だけで的確に伝えるのは非常に難しいものです。そのため業者に依頼する場合は「訪問見積もり」を取って、必ず業者の方に現場の状況をしっかりと確認してもらった上で見積もりを出してもらいましょう。
業者の中には、電話の対応だけで料金の見積もりを出し、そのまま契約をさせようとする業者や、見積もり段階で契約を急かすような業者も存在します。実際のお支払い時に見積もり以上の料金を請求してくる可能性が高いので、悪質な業者には注意しましょう。
4. 業者の決定・契約
見積もりは複数業者に取りましょう(相見積もり)。料金をなるべく安く抑えるコツです。作業内容や金額などを考慮し、業者を決定しましょう。
特殊清掃をご依頼の場合、なるべく早く業者を決定したいという状況が多いと思います。複数業者への見積もりは大変ですが、「みんなの遺品整理」では一度のお問い合わせで3社の見積もりを取ることができ、協会が認定した信頼のおける業者に簡単にご依頼できます。
5. 実際の作業
業者が現地で作業をしてくれます。脱臭や汚染物の処分、お荷物の梱包や搬出などを行ってくれます。
6. 作業完了・報告
作業完了後、現場を確認し、料金を支払います。その結果を大家さんなど、管理者の方にも確認してもらいましょう。
安すぎる業者には注意!
特殊清掃の業者の中には、顧客を獲得するために、相場よりも安く価格設定をしているところもあります。良心的な意味で安価にしているのであれば良いのですが、どちらかと言うとその反対の方が多いようです。
例えば、特殊清掃後にもかかわらず、腐敗臭がきちんと取り除けていないことがあります。人件費を抑えるために、ほぼ未経験のアルバイトに作業を任せるケースもあるようです。
他にも不用品の回収後、正規の手続きを取らずに、不法投棄をすることで収益を上げる業者も存在すると言われています。
経験の浅いスキルのない事業者に依頼してしまうと、臭いが取れずに戻ってきてしまいます。そのためせっかく金額を払っても再度、別の業者に依頼して2倍料金がかかるケースもあるのです。
特殊清掃はまだまだ歴史の浅い業界です。そのため、費用の安さだけで選ばずに、見積もり時に誠実な対応をする業者の中から選ぶことが大切です。
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