遺品整理を業者に依頼した結果、思いもよらないトラブルに見舞われた経験がある方は意外にも少なくありません。

「みんなの遺品整理」による独自調査の結果も踏まえつつ、実際のトラブル事例や対策をわかりやすく解説します。

遺品整理業者とのトラブルを約4割の人が経験!事例や対策を解説

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遺品整理業者に依頼した人の約4割がトラブルを経験

出典:LIFULL Senior「遺品整理業者に依頼した人のうち、何らかのトラブル経験者は約4割 約半数は見積もり後に追加請求アリ、中には20万円以上増えたケースも!」

遺品整理を業者に依頼したときのトラブルは多く、「みんなの遺品整理」が独自に行った調査では約4割の方が「トラブル経験あり」と回答しています。

理不尽な値上げや契約したサービスが遂行されないなど、さまざまな内容が報告されています。

遺品整理業者とのトラブルは相次いでおり、国民生活センターも注意喚起をしているのが現状です。

出典:独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル-料金や作業内容に関するトラブルが発生しています-」

遺品整理業者とのトラブル事例

遺品整理業者とのトラブル事例を知っておくことで、同じような被害に遭いにくくなります。

対策も併せて紹介するので、遺品整理業者へ依頼する前に確認しておきましょう。

高額請求や不当な追加請求

高額請求や追加請求は遺品整理に関するトラブルの中でかなり多い事例の一つです。

遺品整理を業者に依頼する際は、基本的に一度現場で訪問見積もりを出してもらい、金額や内容に納得した上で契約します。

しかし「想定より物量が多かった」などの理由をつけて料金を追加請求したり、そもそも最初に見積もり自体を出さなかったりする悪徳業者も存在します。

「みんなの遺品整理」が実施したアンケートでも、業者に依頼した方の約半数が追加請求を受けています。中には20万円以上の高額請求を受けた方もいるようです。

出典:LIFULL Senior「遺品整理業者に依頼した人のうち、何らかのトラブル経験者は約4割 約半数は見積もり後に追加請求アリ、中には20万円以上増えたケースも!」

対策

不当な請求を受けないためには、何の作業にいくらかかるのかという詳細な見積もりを出してもらうことが大切です。

さらに、追加請求がない旨を契約書に盛り込んでおくと安心です。これらを拒否する業者には依頼しない方が良いでしょう。

遺品整理は人生で何度も行うものではないため、相場がわかりづらいものです。そのため、3社以上の相見積もりをとって料金を比較することをおすすめします。

複数の見積もりをとればある程度の費用感も掴めるでしょう。

 

相場以下の値段での買取

遺品整理業者の中には、遺品を相場以下の値段で買い取る悪徳業者もいます。仕入れ値を不当に安くして利益を高くするためです。

遺品整理中に高価な骨董品や美術品が出てくることもあるでしょう。適切な査定を行う業者であれば、不当に安い金額で買い取ることはありません。

対策

遺品を業者に売却する場合は、その場での決断は避け、見積もりを貰ってから時間を置いて考えましょう。

優良遺品整理業者の多くは訪問見積もり時に買取品の査定額も出してくれます。そちらを参考にリサイクルショップなどで鑑定を依頼するのも有効な手段です。

特に宝石や貴金属、ブランド品や趣味嗜好品、骨とう品や美術品は素人では相場がわからないものです。

価値がわからないものは専門の買取業者に依頼したほうが買取価格が高くなる可能性があります。

〈参考記事〉遺品の買取方法と高く売るためのコツ

 

作業中の貴金属や金品、現金の盗難

作業中に発見した貴金属や金品、現金などを盗む悪徳業者もいます。遺品整理を依頼する以上、業者を自宅に入れなければなりません。

作業中ずっと監視することも困難なため、盗難にあってもすぐには気づけないのです。

対策

盗難を防ぐためには、業者を家に入れる前に貴重品を金庫にしまうことがポイントです。作業にはできる限り立会い、業者のそばで注意深く見守りましょう。

 

回収した遺品の不法投棄

悪質な遺品整理業者の場合、回収した遺品を山中へ不法投棄したり、違法な手段で処理したりすることがあります。

本来、回収した遺品は自治体が定めた方法に則って処分する必要があります。

しかし、悪徳業者は不用品回収の許可を持っていないため、正規の方法で処理できません。遺品を不法投棄されると、依頼者が罰せられるケースもあります。

対策

業者に遺品整理を依頼する際は必要な許可を持っているか確認しましょう。遺品整理には「一般廃棄物収集運搬業」の許可が必要です。

「産業廃棄物収集運搬許可証」や「古物商許可証」だけで遺品の回収はできないため注意しましょう。

 

形見や権利書を確認しない

いい加減な業者に依頼すると、遺品整理で見つかった土地の権利書や形見などを依頼者に確認せず捨ててしまうことがあります。

大切な遺品であるという認識がないため、どんなものでも不用品として扱ってしまうのです。

対策

重要なものを勝手に処分されないためにも、許可なく遺品を引き取らないよう業者に厳命します。

ありかがわかっている場合は先に分けておくのも一つの手でしょう。業者には仕分けを担ってもらい、保管する・しないの判断は必ず依頼者が行うようにします。

 

解約を申し出ると高額なキャンセル料を請求された

キャンセル料について事前の説明がなく、解約を申し出たときに突然請求されるケースもあります。

遺品整理業者のサービスは「訪問販売」に該当するため、クーリング・オフができます。

クーリング・オフとは、契約書を受け取った日から8日以内であれば無条件に契約を取り消せる制度です。

通常、クーリング・オフで違約金や損害賠償金は支払う必要はありません。

ただし、期間を過ぎるとキャンセル料を支払う必要が出てきます。キャンセル料は業者が自由に設定できるため、高額な料金を請求されるおそれがあります。

出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」

対策

解約に関しては、クーリング・オフが適用される8日以内に申し出ましょう。また、キャンセル料の有無や金額、発生時期も契約前に確認しておきます。

口頭での確認だけでなく、書面にも記載してもらいましょう。万が一書面への記載を渋られた場合は、悪徳業者の可能性があります。

 

強引な勧誘を受け自宅に押し入られた

突然自宅に訪問してきて、断っても強引に勧誘する業者もいます。中には、勝手に自宅内の引き出しを開けるような業者もいるようです。

特に高齢者や女性のみの場合、被害に遭いやすいため注意しましょう。

対策

見積もりを依頼していない業者が訪ねてきたら、玄関の鍵を開けずに断りましょう。インターホン越しの対応であれば、押し入られる心配もありません。

インターホンがない場合は、チェーンをかけて対応するのが安心です。万が一強引に自宅に入ろうとしてくる場合は警察に連絡しましょう。

 

雑な作業が行われた結果物品が破損した

悪質な業者は作業が雑なため物品が破損するおそれもあります。遺品整理では仕分けや回収作業を依頼するため、大切な物品や貴重品を扱う場面もあります。

悪徳業者は遺品の大切さを理解していないため、雑な作業を行う可能性が高いでしょう。

対策

大切な物品や貴重品はあらかじめ分けて保管しておくことが大切です。慎重に取り扱ってほしいものは事前に伝えておくと安心できます。

また、契約前に遺品整理業者の評判を調べたり、見積もり時の対応をチェックしたりして、安心して任せられるか確認しましょう。

 

契約後に作業が実施、完了されなかった

作業が期日までに完了しなかったため、依頼者が残りの遺品整理を自力で行い、キャンセルを申し込んだところ「費用を全額払わなければ、撤去した家財をすべて送りつける」と言われた事例もあります。

また、契約後いつまで経っても作業が開始されずキャンセルしたところ、前払いした料金が返金されなかったトラブルもあります。

対策

契約時に作業開始や完了予定の日時を確認しておきましょう。また、作業が期日までに完了しなかった場合の対応もチェックしておくことが大切です。

業者に伝える期日を希望日よりも早めに設定しておくと、余裕をもったスケジュールが組めます。

悪質な遺品整理業者の特徴

悪質な遺品整理業者にはいくつかの特徴があります。業者選定時の判断材料にするためにも、あらかじめ把握しておきましょう。

料金が極端に安い

ほかの遺品整理業者に比べて料金が著しく安い場合は悪質な業者の可能性があります。

見積もりの段階では安い価格を提示して、作業後に高額の追加請求を行うトラブル事例は多いです。

費用を抑えたい気持ちは当然ですが、あまりに安すぎる場合は何か裏があると考えたほうが良いでしょう。

訪問しないで本見積もりを出す

訪問しないで本見積もりを出す業者は、作業後に高額の追加請求をしてくる可能性があるため注意が必要です。

通常、遺品整理の費用は家財の量や種類、部屋の大きさなどによって値段が変動します。

そのため、電話やメールで状況確認をしただけで出した見積もりは、追加請求する前提で提示している可能性があります。

訪問なしでの見積もりは、対応する負担などを抑えられるかもしれませんが、トラブルのリスクが高いことを覚えておきましょう。

必要な許可を得ていない

遺品整理に必要な許可を得ていない業者は、遺品を雑に扱ったり不法投棄したりする可能性があります。

遺品整理の作業内容によっては、所定の許可や資格を得る必要があります。

例えば、不用品の運搬処理には「一般廃棄物収集運搬業許可」、遺品の買取には「古物商許可」が必要です。

遺品整理業者に依頼する際は、必要な許可を得ているか確認しましょう。

〈参考記事〉遺品整理業者が持つべき資格

業者の情報を公開していない

ホームページに情報を公開していない、もしくは詳しく記載されていない場合は悪質な業者の可能性があります。

多くの実績・事例がある優良遺品整理業者はホームページが充実していることが多いです。

依頼を考えている業者があれば、事例や費用面の記載があるかどうかを確認してみましょう。

悪徳業者に依頼しないためには

悪徳業者への1番の対策は、そもそも関わらずに優良業者に依頼することです。遺品整理業者は全国に約1万社あると言われているため、選定が非常に重要になります。

後述するポイントを踏まえたうえで慎重に業者選定をしましょう。

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無料の回収業者はトラブルに遭うリスクがある

無料の回収業者は一概に全てが悪いとは言えないものの、中には作業後に追加費用を請求する悪徳業者も一部存在します。

見積もりや回収のみ無料で処分費はかかるケースも見られます。

作業後に高額な費用を請求されるトラブルを避けるためにも、細かく料金設定されている業者を選ぶのがおすすめです。

優良遺品整理業者選びの6つのポイント

  • 遺品整理士の在籍
  • 訪問見積もりに対応
  • 見積もり書の明確な記載
  • 不用品の適切な処分
  • 丁寧な対応
  • 相見積もりをとる

遺品整理業者を選ぶ際は上記のポイントを踏まえて依頼すると、悪徳業者にあたるリスクを減らせます。

中でも、遺品整理士が在籍しているかどうかは重要なポイントです。

遺品整理業の開業にあたって、遺品整理士の資格は必須ではありません。中には特に資格を持たずに営業している業者もあります。

したがってサービスの質は業者によってさまざまです。遺品整理士の資格を持っていることは、信頼するに足る業者であると示す一つの基準になるでしょう。

しかし、遺品整理士の在籍有無は重要視されていないのが現状です。

「みんなの遺品整理」によるアンケートでは、業者に依頼した方の約6割が遺品整理士について「わからない・知らない」「在籍していなかった」と回答しています。

出典:LIFULL Senior「遺品整理業者に依頼した人のうち、何らかのトラブル経験者は約4割 約半数は見積もり後に追加請求アリ、中には20万円以上増えたケースも!」

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遺品整理士とは?
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遺品整理士とは、一般財団法人遺品整理士認定協会が発行している資格です。

遺品整理の作業や心得に関する講座を2ヶ月ほど受講したのち、適性を認められた場合のみ与えられます。

遺品整理業界では、遺品整理業者を運営するための明確な定義や制度が定まっておらず、実態把握すら難しい不健全な状況にあります。

そのため、業界の健全化を目的として遺品整理士という資格ができました。

遺品整理士在籍の遺品整理業者を探す

〈参考記事〉遺品整理士認定協会とは?

まとめ

トラブルを防ぐためにも、遺品整理を業者に依頼する際に重要なのは、しっかりと業者選定を行うことです。

故人の大切な遺品を整理するので、いい加減な業者や悪徳業者は絶対に避けたいところ。

遺品整理士の在籍有無など、本記事で紹介したポイントを踏まえて慎重に業者選びを行いましょう。

「みんなの遺品整理」では、全国の優良遺品整理業者を紹介しています。掲載しているすべての業者に遺品整理士が在籍。

悪徳業者に当たったり、トラブルに巻き込まれたりする可能性もありません。遺品整理業者をお探しの方は「みんなの遺品整理」をチェックしてください。

「みんなの遺品整理」で優良業者を探す

【監修者:一般財団法人遺品整理士認定協会】

遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。

遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。

法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。

 

【執筆者:みんなの遺品整理事務局】

東証プライム市場上場企業の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。

はじめての遺品整理でも、専門知識が豊富な相談員が中立な立場で、無料アドバイスをさせていただきます。大切な人の生きた証を残しつつ、気持ちよく次の世代へ資産や遺品を引き継ぐために、私たちは、お客様一人一人に最適なお手伝いができる情報提供・業者をご提案します。

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