孤独死が起きた際に遺体が腐敗する日数や弊害、防止策など様々な角度から解説します。孤独死現場の遺体は発見までに時間を要するため、腐敗しているケースが大半。
異臭などの異変で発見されることほとんどですが、具体的にどれくらいの日数を要するのでしょうか。
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遺体が腐敗する日数の目安
孤独死した方の遺体の腐敗は体内からのものを含めると、死後1時間以内に始まると言われています。
ただし、正確な時間や腐敗臭が近隣まで届く日数は室内の環境によって左右されます。
室内の気温や湿度が高いほど腐敗はすぐに始まるため、夏場や暖房が付いている場合は進行が早くなります。
一方で気温や湿度が下がる冬場やクーラーが効いている場合、夏場と比較すると腐敗の速度は遅くなります。
腐敗~発見に至るまでのきっかけは?
冒頭にも述べた通り、孤独死は発見までに一定以上の時間が経過しているケースが大半です。
遺体が腐敗してから発見に至るまでのきっかけとしては、表のようなものが挙げられます。
孤独死が発見されるきっかけや具体的な日数については下記の記事でさらに詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
発見されるきっかけの一例 ・異臭や害虫などの異変に気が付いた ・ドアのポストにチラシや郵便物が大量に詰まっている |
腐敗の過程
腐敗が孤独死の直後に始まることは上述の通りですが、各段階を経て進行していきます。順を追って腐敗の過程を解説します。
1.死斑が見える
心臓が止まると血液も必然的に流れなくなります。次第に血液は体と地面の接面付近に溜まります。地面付近に溜まった血液が皮膚から透けて見えるものが死斑です。
死後30分程度で現れ、まとまった後に固定されます。
2.死後硬直
死後2時間ほどで関節が動かなくなり、筋肉が固まるのが死後硬直。顎、身体、手足の順で固まっていき、死後10時間ほどで硬直のピークを迎えた後に腐敗します。
3.腐敗
腐敗は胃腸など消化器系の器官から始まります。死後に胃液が正しく機能しなくなり、胃や腸そのものを溶かしてしまうことで起こる現象です。
その後全身の腐敗も進行します。
4.腐敗性水泡や腐敗ガスの発生
腐敗が進行していくと、腐敗性水泡や腐敗ガスが発生します。腐敗ガスの量が増えると死臭と呼ばれる異臭が発生。
便も体外に出てくるため、見るに堪えない光景になってしまいます。
腐敗した遺体による弊害
腐敗した遺体を放置すると様々な弊害を起こす可能性があります。どれも自身や周囲の健康、家屋に大きな被害を与えるものばかりです。
感染症
腐敗した遺体が放置された部屋は衛生状態が極めて悪くなっています。
目に見えないウイルスや細菌が浮遊したり付着したりしており、適切な装備がないと感染症などの健康被害をもたらす可能性が高いです。
害虫被害
腐敗した遺体の死臭や体液に引き寄せられてゴキブリやハエなどの害虫が発生します。
遺体に害虫が卵を産み付け、さらに数が増えるという負の連鎖が誕生。遺体の放置期間が長いほど害虫の量も多くなります。
家屋へのダメージ
腐敗した遺体を放置すると、流れ出た体液が床や壁などに染み込み、強烈な死臭がこびりつきます。
中々落ちないほか、損傷がひどい場合はリフォームが必要になることも。
近隣トラブル
先にも触れたように、腐敗した遺体からは死臭や体液が発生し、害虫が引き寄せられます。
次第に近隣まで臭いや害虫が届き、トラブルに発展するケースも少なくありません。
遺体の腐敗を防ぐには?
少子高齢化が進んでいる背景からも、孤独死の数は今後も増加していくことが想定されます。
孤独死数の増加や遺体の腐敗を防ぐためには、そもそも孤独死事態の対策が必要。一人暮らしで完結させずに、外部の人たちと関りを持つことが大切です。
下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
特殊清掃業者の作業内容
・汚染除去 ・悪臭除去 ・殺虫・害虫駆除 ・リフォーム ・遺品整理 |
孤独死が起きた現場は原状復帰のために清掃作業を行う必要があります。衛生面や技術力の観点から、清掃は特殊清掃業者への依頼が必須です。
作業内容は主に上記の通りで、部屋を元通りの状態まで復旧します。各作業の詳しい内容や工程については下記の記事で解説しているので参考にしてください。
特殊清掃業者の探し方
孤独死が社会問題化する中で、特殊清掃業者の需要は高まっています。
様々な特殊清掃業者が参入しており、どのような基準で業者を選べば良いかわからない方も多いはず。
法外な費用を請求したり、ずさんな作業をしたりする悪徳業者が一定数いるのも事実です。そのため、業者選定がとても重要になります。
下記の記事やポイントを参考に、健全な優良業者を選んで依頼してください。
特殊清掃業者を選ぶ際のポイント ・実績や経験 ・希望条件と一致しているか ・見積もりが明瞭で適切か |
まとめ
孤独死で遺体が腐敗する日数や弊害、対策などについて解説しました。少子高齢化が進む背景からも、いつ誰が直面してもおかしくない身近な人の孤独死。
基本的に発見までに日数を要するので、遺体は腐敗してしまいます。遺体の腐敗はもちろん、孤独死事態を防ぐために、早い段階で適切な対策を取りましょう。
記事内でも触れたように、万が一孤独死が起きた場合は、特殊清掃業者への依頼が必須。紹介したポイントや探し方を参考に、優良業者へ依頼してください。
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【監修者:一般社団法人事件現場特殊清掃センター】
特殊清掃業界の人材育成と料金体系の健全化に向けて設立された団体。「ゴミ屋敷」や「孤立死の現場」「新型コロナウイルスの除菌」など、特殊な対応が求められる現場において、適切な処置を実施できるよう「事件現場特殊清掃士」養成講座を通して正しい知識・理解を広める活動を実施。また、事件現場特殊清掃士が在籍する業者の法令順守や作業品質の監査も実施。全国各地の優良業者の紹介も担う。
公式HP:一般社団法人事件現場特殊清掃センター
【執筆者:みんなの遺品整理事務局】
東証プライム市場上場企業の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。
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