親族や身内が亡くなったときには、多くの手続きが必要になります。
同時に、多くの方が悩むのが遺品整理の進め方です。
ここでは、自分で遺品整理を行うときのコツだけでなく、遺品整理業者に依頼するときのコツを分かりやすくご説明していきます。
遺品整理の進め方を知りたい方や、自分で行うか遺品整理業者に依頼するか迷っている方は、ご一読ください。
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遺品整理についての基礎知識
まずは遺品整理とはどのようなものか、どのタイミングで行うのかなど、遺品整理を行うにあたって知っておきたい基礎知識を紹介します。
遺品整理とは
親族や身内が亡くなったときに、その方が生前使用していたものを整理して家や部屋をきれいにすることを、遺品整理といいます。
遺品には、通帳や健康保険証、有価証券などの貴重品のほか、衣類や家電製品など日常的に使っていたもの、大切にしていた愛用品など、さまざまなものが含まれます。
ほかには、生前のアルバムや写真、日記なども、遺品のうちです。
このように、遺品とは故人にゆかりのあるもの全てを指します。
そして遺品整理とは、これらゆかりのあるもの全てをそのままにしておくのではなく、要るものと要らないものに仕分けて片づけることをいいます。
遺品整理の意味合いとは
故人にゆかりがあるものを片づける遺品整理ですが、実際にはそれ以上の意味があります。
遺品整理の意味合いは大きく分けて二つ。その二つの意味合いについてご説明します。
・故人を大切にする
・遺族の心を整理する
遺品を丁寧に扱い、その中でも残しておきたいものを大切にしていくことは、故人を大切にすることへとつながります。
また、遺品整理を行う時間は、故人との思い出や現在の感情としっかり向き合う時間であるともいえます。
このような時間の中で、故人とお別れをして心の整理をするのが、遺品整理なのです。
遺品整理を行う時期
遺品整理を行う時期としてベストなのは、気持ちに余裕を持てたときです。
気持ちに余裕があれば、遺品と向き合い、心の整理を付けることができるでしょう。
大切な人が亡くなってすぐは、なかなか気持ちの整理が付かず、遺品を見るのも捨てるのもつらいと感じる方が多いと思います。
実際に、なかなか遺品整理に手を付けられずに、2~3年そのままになっているケースも少なくありません。
ここからは、遺品整理をどのタイミングで行うべきか悩んでいる方に向けて、遺品整理を行うのにおすすめの時期をご紹介します。
四十九日の法要を終えてから
故人が亡くなった後、四十九日の法要を終えてから遺品整理を行うのがよいとされています。
四十九日とは、仏教において故人が極楽浄土へ行けるかどうかが決まる、命日から48日目に行う法要のことです。
命日を1日目として数えるため、通常の数え方より1日早まります。
この法要の目的は、極楽浄土へ行けることを祈ることです。
一般的に、四十九日よりも前は、故人の魂がこの世をさまよっているともいわれています。
そして、四十九日には、喪に服していた遺族が元の生活に戻る日という側面もあります。
これらの理由から、四十九日の法要は一つの区切りとなるでしょう。
百日法要を終えてから
もう一つのおすすめの時期は、命日を1日目として、99日目に行われる百日法要の後です。
四十九日で極楽浄土に行けなかった場合に、百日法要で供養することで、再び極楽浄土に行けるかどうかの審判が可能になるといわれています。
百日法要は、声を出しながら涙を流すことを卒業するという意味のある卒哭忌(そっこくき)という呼び方もあります。
つまり、遺族が故人を失った苦しみや悲しみに別れを告げて、前に進むという重要な意味を持つ法要です。
この点から、百日法要を終えてからの遺品整理も、おすすめです。
法要で親族が集まったとき
法要のタイミングで遺品整理を行うのもおすすめです。
法要のタイミング以外では、親族が集まれないケースもあるからです。
集まれない理由としては、親族がそれぞれ遠方に住んでいることなどが挙げられます。
このように、親族がなかなか集まれないケースでは、親族が集まる法要のタイミングで行うのもおすすめです。
故人の住居の契約が終了する前
故人が賃貸物件で一人暮らししていた場合には、退去日を確認する必要があります。
そのため、早いうちに賃貸契約書の契約内容を確認しましょう。
場合によっては、その月の末までに退去しなければならないこともあります。
そのような場合、契約を継続しない限り、契約が終了するよりも前に遺品整理を行うことが必要です。
退去日を延長したい場合には、管理会社に確認しましょう。
また、故人が公営住宅で生活していた場合は、亡くなって49日後までに退去する契約になっています。
そのため、できるだけ早い時期に遺品整理を行う必要があります。
遺品整理の進め方
実際に遺品整理を行うときは、どのように進めていくのでしょうか。
遺品整理には、「自分で行う」と「遺品整理業者に依頼する」という二つの進め方があります。
ここでは、それぞれの場合の特徴をまとめました。
自分で行う
遺品整理を、親族のみで行うパターンです。
遺品の仕分けや各種手続きなどを、全て自分たちで行います。
自分で行う場合は、以下のようなメリットとデメリットが挙げられます。
【メリット】
・故人と近しい人だけで行える
・遺品を丁寧に仕分けでき、乱雑に扱われる心配がない
・遺品整理業者に依頼する費用が掛からない
【デメリット】
・時間が掛かるため予定より作業が長引く可能性がある
・手間が掛かり遺族の負担が大きい
・気持ちに余裕がないときに行うと、悲しみがさらに深まってしまう可能性がある
遺品整理を自分で行うという進め方は、遺品を近しい人だけで大切に扱いたい方や、
時間にも気持ちにも余裕のある方、遺品整理に掛かる費用を抑えたい方におすすめです。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理業者に依頼すると、遺品の仕分けだけでなく、回収・処分・供養などの各種手続きまで、全てを引き受けてもらえます。
遺品整理業者に依頼する場合のメリットとデメリットは、以下の通りです。
【メリット】
・全ての作業を行ってもらえる
・都合に合わせて作業プランを設定してもらえる
・経験豊富な専門家に頼むことで安心して任せられる
【デメリット】
・費用が掛かる
・業者選びを間違えると、遺品を大切に扱ってもらえない可能性や大切なものを処分されてしまう可能性がある
・他人に遺品を触られることに抵抗感がある場合も
全ての作業を経験豊富な専門家に行ってもらいたい方、遺品整理を行う時間が取れない方、
身体や気持ちの面から遺品整理を進めるのに不安のある方は、遺品整理業者に依頼するとよいでしょう。
遺品整理をするときのコツ
遺品整理をトラブルなくスムーズに進めるためには、ポイントを押さえておくことが大切です。
遺品整理をするときのコツを、自分で行うときと遺品整理業者に依頼するときとに分けて見ていきましょう。
自分で行うときのコツ
自分で仕分けをする場合のコツは、工程を仕分けと行き先決めの二つの作業に分けることです。
なぜなら、自分で仕分けをすると、スムーズにいかないことも珍しくないからです。
例えば、遺品の量の多さに圧倒されてしまったり、故人との思い出に浸ってしまって仕分けられなかったりといったことが挙げられます。
どちらも、作業の手が止まってしまう要因となるため、遺品整理が思うように進まなくなってしまうでしょう。
ここでは、仕分けをするとき、遺品の行き先決めで迷ったとき、手放すときのそれぞれのコツをご紹介します。
仕分けするときのコツ
仕分けをするときは、貴重品・大型家財道具・貴金属・小物に分けます。
貴重品とは、通帳や印鑑、年金手帳などのほか、保険・不動産・債務・金融関係の書類、クレジットカードなどです。
通帳やクレジットカードなどの貴重品は、捨ててはいけないものと理解されているはずです。
しかし、書類関係は誤って捨ててしまうことがあるため、注意が必要です。
また、一般的には貴金属も貴重品に含まれますが、資産として売却する可能性もあることから、遺品整理を行うときは別にしておくと分かりやすくなります。
小物には、衣類や雑貨などの比較的小さいものが含まれます。
遺品の行き先決めで迷ったときのコツ
仕分けしたもののうち、大型家財道具・貴金属・小物の行き先を決めましょう。
その行き先とは、具体的に、形見となるもの・再利用可能なもの・処分するものです。
全てを仕分けしてから行き先決めを行うことで、遺品ごとに両工程を一緒に行うよりも冷静な目線で手早く作業を進められます。
しかしそれでも、行き先をなかなか決められずに迷ってしまうことがあります。
遺品や故人との思い出を大切にしたいという思いがあるのは、当然のこと。手放してしまって後悔しないか、不安になりますよね。
中でも特に迷うことが多いのは、愛用品、衣類、手紙、写真などです。
そのようなときは、以下の表を一つの目安にすると、うまく行き先決めができるかもしれません。
愛用品 |
形見となることが多いため残す |
衣類 |
よく着用していた数点だけ残す |
手紙 |
故人の思いを表すため残す |
写真 |
DVDなどにコンパクトに保存する残し方あり |
こうすれば、後で「残しておけばよかった」という後悔をするのを防げるでしょう。
ほかに迷うものがあれば、いったん保留にして落ち着いてから整理をするのがおすすめです。
手放すときのコツ
遺品を手放すときにもコツがあります。そのコツとは、買い取りや寄付、リサイクル、廃棄など、それぞれの方法をよく調べておくことです。
大型家財道具のうち、エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は、家電リサイクル法の対象品目となるため、自治体のルールを確認しておきましょう。
また、リサイクルショップなどで買い取りしてもらう、ネットオークションに出品するなどの場合には、
その遺品の価値をオークションサイトなどで調べておくと相場が分かります。
一般的に、1品ずつネットオークションで出品するより、リサイクルショップでまとめて買い取りしてもらった方が高く売れることがあるので、
リサイクルショップで見積もりを出してもらうのもおすすめです。
遺品整理業者に依頼するときのコツ
遺品整理業者に依頼するときには、信頼できる業者を選びましょう。
費用だけで選んでしまうと、後から高額請求されたり、遺品を大切に扱ってもらえなかったり、遺品を不法投棄されたりといったトラブルに発展する可能性もあります。
悪徳業者を選ばないためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
遺品整理業者に依頼するときのコツを見ていきましょう。
良い遺品整理業者を選ぶためのポイント
後からトラブルにならないためには、優良な遺品整理業者を選ぶことが重要です。
良い業者を選ぶためのポイントは、以下の通りです。
・遺品整理業務への知識と意識を持った遺品整理士が在籍している
・訪問見積もりを行い明確な見積書を提示してくれる
・サービスの提供に必要な許可を得ている
・電話や見積もりの際の対応が丁寧である
後から追加請求されることがないよう、訪問見積もりをしてくれる遺品整理業者を選びましょう。
サービスの提供に必要な許可とは、廃棄物の処理や家財の買い取りや形見分けの配送に必要となる、
一般廃棄物収集運搬業許可、古物商許可、一般貨物自動車運送事業許可などがあります。
サービスを展開している場合は、それに対応した許可を得ているかを確認しましょう。
また、対応については、口コミなども参考にするのがおすすめです。
故人が残した遺品を、大切に扱ってくれる信頼できる業者を選びましょう。
希望に沿ったサービスを提供しているのかを確認する
遺品整理業者は、対応しているサービス内容がそれぞれ異なります。
そのため、遺品整理業者を選ぶときは、ただ良い業者を選ぶだけでなく、希望に沿ったサービスを提供してくれるかどうかの確認も必要です。
部屋・仏壇の供養やハウスクリーニング、特殊清掃、形見の配送、買い取りなど、遺品整理業者に何をしてほしいかを、自分の中で具体化しておきましょう。
具体化することで、自分のニーズに見合った内容のサービスを受けられるはずです。
遺品整理業者に依頼するときに掛かる費用
遺品整理業者に頼むデメリットとして費用面が挙げられますが、実際に掛かる費用はどのくらいなのでしょうか。
費用の相場を、以下の表にまとめました。
間取り |
相場 |
1K |
20,000~40,000円 |
1LDK |
50,000~100,000円 |
2LDK |
80,000~150,000円 |
3LDK |
11,000~200,000円 |
ハウスクリーニングや買い取りなど、どこまでがサービス内容に含まれていてどこからがオプションなのかについても、
依頼するときや見積もりのときなどに、併せて確認が必要です。
また、遺品整理業者に依頼するときは、出張費が掛かることもあります。
依頼する物件に近ければ近いほど出張費を節約できることが多いため、サービスエリア内の遺品整理業者を探しましょう。
まとめ
多くの方が悩む遺品整理の進め方や、自分で遺品整理を行うときと遺品整理業者に依頼するときのコツをご説明しました。
自分で遺品整理を行うときは、遺品の仕分けと行き先決めの二つの作業に分け、手放す方法を事前に調べておくとスムーズに進められます。
遺品整理が身体的・精神的に負担になると思われる場合には、遺品整理業者に依頼するのも一つの手です。
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【監修者:一般財団法人遺品整理士認定協会】
遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。
遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。
法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。
【執筆者:みんなの遺品整理事務局】
東証プライム市場上場の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。
はじめての遺品整理でも、専門知識が豊富な相談員が中立な立場で、無料アドバイスをさせていただきます。大切な人の生きた証を残しつつ、気持ちよく次の世代へ資産や遺品を引き継ぐために、私たちは、お客様一人一人に最適なお手伝いができる情報提供・業者のご提案を致します。
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