セルフネグレクトになりやすい女性にはいくつかの特徴があります。高齢者の問題として扱われることが多いセルフネグレクトですが、20代の若者や女性もが陥るケースも少なくありません。
原因や治し方にも触れているので、対策や改善に役立ててください。
女性は男性よりもセルフネグレクトになりやすい
セルフネグレクトは男性よりも女性に起こりやすいとされており、これは内閣府の調査からも読み取れます。
原因は明確ではありませんが、女性は化粧などで身だしなみを整えるため、男性よりも外見からの異変に気づきにくいです。
その間に状況が悪化してしまうことが考えられます。
出典:内閣府経済社会総合研究所「セルフネグレクト状態にある高齢者に関する調査―幸福度の視点から 報告書」
20代などの若い女性でもセルフネグレクトのリスクがある
セルフネグレクトは高齢者に多いと言われていますが、20代の若者が陥るリスクも十分にあります。
若年層の孤独死における自殺率の高さからも、セルフネグレクトが若者にとって無縁の問題でないことが伺えるでしょう。
また、若年層での孤独死(自殺)は男性よりも女性に多くなっています。高齢女性だけでなく、20代などの若い女性もセルフネグレクトになる可能性があると言えるでしょう。
出典:一般社団法人日本少額短期保険協会 孤独死対策委員会「第6回 孤独死現状レポート」(PDF)
セルフネグレクトになりやすい女性の特徴
セルフネグレクトになりやすい女性の特徴を知っておけば対策にも役立ちます。悪化すると脱出は容易ではないため、事前に予防しましょう。
人に頼ることが苦手
プライドや遠慮から人に頼れず、抱え込みやすい性格の女性はセルフネグレクトになりやすいです。
生活環境が悪化していても、外では身なりを整えているケースも少なくありません。身だしなみが整っているため、周囲も異変に気づかずに状況が悪化しやすいのです
「だらしない自分を知られるのが恥ずかしい」という思いから、周囲にバレないよう問題を隠してしまいます。
孤独や不安がある
孤独や不安が生活環境の悪化を助長して、セルフネグレクトに繋がるケースもあります。社会的な交流が少なくなると、生活の意欲が低下しやすいです。
「誰にも見られないから入浴しなくていいや」「家に誰も来ないから、散らかったままでいいや」など、他者とのつながりが希薄になると身なりにも気を遣わなくなるでしょう。
物を捨てられない
物を捨てられない女性は物量が増えすぎて住居環境が悪化し、セルフネグレクトになりやすくなります。
物を捨てられない人は「捨て方がわからない・怪我や病気で片付ける能力がない」場合と「そもそも捨てたがらない」場合の2つに分けられます。
捨て方がわからなかったり、身体機能や認知機能の低下でゴミを捨てられなかったりするケースでは、周囲からの援助でセルフネグレクトを脱出しやすいです。
一方、「もったいないから捨てられない」「一般的にゴミとされるものをゴミと思わない」などの場合は周囲の援助を断るケースも多いです。
結果孤立して症状がさらに悪化する傾向にあります。
掃除が苦手
掃除が苦手な女性は自宅を綺麗に保てず、セルフネグレクトに陥りやすいです。
食べかけの食事や食器を長期間放置したり、水回りの掃除をしなかったりすると害虫や害獣が発生します。
極端に汚いことから余計に掃除をしなくなり、放置する悪循環に繋がるでしょう。
女性がセルフネグレクトになる原因
なぜセルフネグレクトになるか原因がわかれば、対策しやすくなります。すでにセルフネグレクトの兆候がある場合は治療や脱出のヒントにもなるでしょう。
身体機能の低下
事故や病気などで身体機能が低下すると、今までのように家事ができなくなったり、身だしなみを整えられなくなったりします。
本人が今まで通りの生活を望んでいても、身体的な理由でセルフネグレクトに陥るケースもあるのです。
身体機能の低下によるセルフネグレクトの疑いがある女性の行動例 |
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・身体が上手く動かないことで化粧が億劫になり、身だしなみに気を遣えなくなる |
精神的な要因
失恋や離婚、ご家族やペットとの死別など、辛い経験がきっかけでセルフネグレクトになることもあります。
辛いことがあるとうつ状態に陥り、身の回りへの興味関心が失われてしまいます。健康状態や部屋の衛生状態、身なりにも興味を持てなくなり、徐々に環境が悪化するのです。
落ち込んだときに何もしたくなくなる状態をイメージするとわかりやすいでしょう。ショックから立ち直れない状態が長期間続くとセルフネグレクトに繋がります。
精神的なダメージによるセルフネグレクトの疑いがある女性の行動例 |
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・何もやる気が起きなくなり、ルーティンだったスキンケアをやめてしまう ・ショックで食欲がわかず、食事を一切摂らなくなる |
経済的貧困
経済的な困窮などの貧困もセルフネグレクトの要因になります。
女性は非正規雇用の割合が男性よりも高いことから、経済的な問題でセルフネグレクトに繋がりやすいことも考えられます。
食費を抑えるために食事を抜いたり、安価な菓子パンやインスタント食品で済ませたりするなど、栄養が偏った食生活を続けると健康を害するおそれがあります。
また、体調を崩してもお金がないという理由で病院受診をためらい、さらに健康状態が悪化するという悪循環に陥ることもあります。
経済的貧困によるセルフネグレクトの疑いがある女性の行動例 |
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・栄養のある食事が摂れずにホルモンバランスが乱れてしまう |
社会的孤立
人への不信感が原因で自ら孤立していき、セルフネグレクトに陥るケースもあります。
一人暮らしで両親との関係が希薄だったり、友人が少なかったりすると孤立しやすく、周囲からの助けを得られない状況になりやすいです。
孤独感や疎外感から、他者に攻撃的な感情を持つ方もいるでしょう。
外部との関わりが少ない場合、自堕落な生活になりやすいのもセルフネグレクトの大きな原因です。
「人に会わないからお風呂に入らない」「服を着替えない」という生活をしていると、徐々に慣れて衛生環境が悪化します。
社会的孤立によるセルフネグレクトの疑いがある女性の行動例 |
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・孤立したことにより身だしなみを意識せず同じ服を着続ける ・外に出ることがないため、入浴やスキンケアをしなくなる |
セルフネグレクトの治し方
・公的機関に相談する ・病院で治療する ・周囲に助けを求める ・自宅を片付ける |
セルフネグレクトは一人で問題を抱え込むと悪化しやすいため、解決できないときは公的機関や友人、ご家族など周囲に相談しましょう。
外部に助けを求めることで、解決策が見つかる可能性があります。周囲に頼れないときは、自宅の掃除や片付けなど身の回りの環境を整えるのがおすすめです。
まとめ
セルフネグレクトは男性よりも女性がなりやすく、公的なデータでも根拠が示されています。
陥りやすい女性にはいくつかの特徴があるため、適切に把握しておきましょう。
特徴や原因を押さえておくことで、対策したり、治療や脱出のヒントになったりします。
万が一、セルフネグレクトが原因で自宅が荒れてしまっている場合、現状から脱出するためにも環境整理が急務です。
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【監修者:一般社団法人遺品整理士認定協会】
遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。
遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。
法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。
【執筆者:みんなの遺品整理事務局】
東証プライム市場上場の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。
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