「家族がゴミ屋敷に住み続けていてとても困っている。どうして何度言っても片付けてくれないのかな」
「ゴミ屋敷に住んでいる家族を説得したけれど、全然話を聞かない。一体何を考えているのだろう」
この記事を最後までお読みいただくと、ゴミ屋敷になってしまった原因だけでなく、ゴミ屋敷状態を解決する方法までわかります。
自分の家族や周囲の人の家がゴミ屋敷になってしまって困っている場合は、ぜひ最後までご一読ください。
- 1. ゴミ屋敷に住む人の心理状態
- 2.ゴミ屋敷になってしまう3つの要因
- 3.ゴミ屋敷に住んでいる状態から解放するために取るべきコミュニケーション
- 4.本人だけでは対処できない場合は一緒に片付けるべき
- 5.一番良くないのはゴミ屋敷状態を放置すること
- 6.ゴミ屋敷になってしまう人の中には病気の人もいるので注意
- 7. 自力や周囲のサポートだけでは解決が難しいなら迷わず業者に依頼しよう
- 8.今すぐ大切な人をゴミ屋敷から救い出したいなら「みんなの遺品整理」の利用がおすすめ
- 9. まとめ
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ゴミ屋敷の住人は、ただ片付けが面倒で放置しているだけでなく、何らかの問題によってゴミ屋敷に住み続けていることが多いです。
「ゴミ屋敷に住むなんて......」と思うかもしれませんが、ご家族や周囲の人が何度説得しても片付けようとしない場合は、もしかしたら以下のような心理状態に陥ってしまっているかもしれません。
ゴミ屋敷になってしまう要因としては、病気などの身体的なものも考えられます。
たとえば、
・強いストレスが原因で片付ける気力を失ってしまった
・病気が原因で片付けたくても家を片付けられない
などにより本人も長い間悩み続けている可能性も高いです。
そのため、「何度言ったらゴミを片付けてくれるの!」などの否定的な言葉や強い言葉を投げかけると、余計に気分が落ち込み、片付けを拒否されてしまいます。
まずは落ち着いて話をするところからはじめ、周囲の人も手伝いながら一緒に片付けてあげましょう。
ただしそうは言っても、ゴミ屋敷に住んでいる人が何を考えていて、どのようにコミュニケーションを取っていけば良いのかを考えることは難しいですよね。
そこでこの記事では、ゴミ屋敷に住む人に多い心理状態や、ゴミ屋敷になってしまった要因について詳しく解説します。
この記事でわかること |
・ゴミ屋敷に住む人の心理状態 ・ゴミ屋敷になってしまう要因 ・住人とのコミュニケーションの取り方 ・ゴミ屋敷の放置リスク ・ゴミ屋敷を改善するポイント |
1. ゴミ屋敷に住む人の心理状態
「昔はきちんと片付けをしていたのに、どうして今ではゴミ屋敷になってしまったのだろう」と悩んでいませんか。
以前は整理整頓やゴミ出しなどを頻繁に行っていた人の家がゴミ屋敷になってしまうと、ショックも大きいですよね。
しかし家族など周囲の人だけでなく、ゴミ屋敷の住人となってしまった本人も、自分の家の状況について悩んでいるかもしれません。
ゴミ屋敷の住人の心理状態は、大きく分けると以下の8つ存在します。
たとえば普通はゴミだと思うものでも、「絶対に必要なものだ」と感じて、ゴミを捨てようとしません。
ゴミ屋敷を解決するには、住人の心理状態の把握が第一歩となります。
まずは住人の主な心理状態や、よく見られる言動について紹介しますので、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。
1-1. 物を捨てるのがもったいないと感じてしまう心理
ゴミ屋敷の住人に多い心理状態が、物を捨てるのがもったいないと感じてしまうものです。
何かを捨てようとして、「やっぱり捨てるのはもったいないから取っておこう」と処分をやめた経験はないでしょうか。
まだ使えそうだと思う気持ちは一般的ですが、ゴミ屋敷の住人は、明らかにゴミとわかる物でも保管しておこうとします。
たとえば以下のようなものは、通常はゴミに出されるケースがほとんどです。
・何ヶ月も前の新聞紙や雑誌などの紙類
・トイレットペーパーの芯や包装紙
・食品が入っていたプラスチックケースや袋
中には再利用できる物もありますが、全てを保管しておく人は少ないでしょう。
しかしゴミ屋敷の住人は、上記のような「明らかに不要と判断できる物」であっても、捨てることはほとんどありません。
どれももったいなくて捨てられないと考えるうちに、家の中がゴミだらけになり、結果としてゴミ屋敷になってしまうのです。
よく見られる言動 |
・明らかにゴミとわかる物でも捨てようとすると怒って反対する ・明らかにゴミとわかる物をいくつも保管してある |
1-2. ゴミ屋敷での生活が気にならない心理
そもそも、ゴミ屋敷での生活が特に気にならないと感じている人も存在します。
また衛生感覚が人とはずれており、「自分の家がゴミ屋敷状態だ」と認識できていないケースもあります。
部屋の中が汚れていても掃除をしようとしなかったり、片付けにあまりに無頓着だったりする人は、このケースに当てはまっているかもしれません。
元々掃除や片付けをしようとする気持ちが薄いため、趣味など他の作業を優先した結果、どんどん家の中が汚くなっていってしまうのです。
一般的な感覚であれば、部屋の中が散らかってきた時点で掃除や片付けを行い、ゴミのない清潔な状態に戻そうとします。
しかしゴミ屋敷での生活が気にならない人の場合は、本人がゴミ屋敷状態であると認識できていないため、片付けようとする気持ちが起こりません。
散らかった状態を放置することで、部屋の中にゴミや不用品が積み上げられたゴミ屋敷になってしまいます。
よく見られる言動 |
・ゴミを捨てたり、片付けたりする様子が全く見られない ・掃除や片付けに対する知識がほとんどない |
1-3. 物を買ってくるのがやめられない心理
既に色々な物を持っているにも関わらず、物を買ってくることをやめられない人も存在します。
ただ単に買い物が趣味でよく物を買ってしまう人もいますが、重症になると、買い物依存症の症状が見られるケースも多いです。
買い物依存症は、普段から買い物のことばかり考えたり、不安感やイライラした気持ちを買い物で解消してしまったりすることが特徴です。
買い物依存症の場合は、常に物を買わないと落ち着きません。
そのため既に同じような物を持っていても、新しく物を購入してしまうのです。
また買う行為にのみ集中し、購入した商品に対しては興味が薄れることも多いため、家の中に開封されていない商品が多く置かれているケースもあります。
家の収納スペースを大幅に超える物の購入を続けることで、家の中が不用品でいっぱいになってしまうのです。
よく見られる言動 |
・いつも買い物をしている ・家の中に開封されていない品物がいくつも置かれている |
1-4. 強い孤独感を感じている心理
ゴミ屋敷の住人の中には、強い孤独感を感じている人も存在します。
一人暮らしで周囲に話をする人や頼る人がいない場合は、特に孤独を感じやすいです。
そして孤独感が強くなった結果、不安からゴミを溜め込むことで、寂しさを解消しようとしてしまうのです。
「少し理解しがたい」と感じるかもしれませんが、寂しさを覚えたときに、何か他の物で充足感を得ようとしたことはないでしょうか。
特に一人で広い家に住んでいる場合は、空いたスペースが多いほど寂しさを感じるケースがあります。
よって「ゴミでもいいから、空いていたスペースを埋めて寂しさを解消したい」と考えてしまうのです。
また親しい人との死別などの悲しい出来事や大きな喪失感が原因で、孤独感を感じ、ゴミを溜め込んでいるケースも見られます。
ゴミに囲まれているほど孤独感が薄れるため、結果として片付けが困難なゴミ屋敷になってしまうのです。
よく見られる言動 |
・過去に悲しい出来事や喪失感を感じることがあり、そのことをずっと気にしている ・あまり周囲の人とコミュニケーションを取っている様子がない |
1-5. ゴミなどの汚いものに触れたくない心理
ゴミなどの汚いものに触れたくないと感じる心理も、ゴミ屋敷住人に見られる心理の1つです。
ゴミ屋敷の住人の中には、ゴミやホコリなどを認識しているものの、絶対に触れたくないと感じている人も存在します。
特に潔癖症の場合は、家の中が汚いことよりも、自分が汚いものに触れることの方が耐え難いと感じているケースも見られます。
するとゴミやホコリに触れられないため、自宅がゴミ屋敷状態になっていることを認識していても、見て見ぬ振りをして放置してしまうのです。
もちろん潔癖症の人の中には、ゴミ出しを頻繁に行うなど、家の中を清潔に保っている人も多く存在します。
しかし人によっては、ゴミそのものに触れたくないと感じるため、「何でも常に清潔な状態を保っていそう」とのイメージとは真逆のゴミ屋敷になってしまう可能性も高いと言えます。
よく見られる言動 |
・何に触る時でも消毒をするなど、潔癖症のような症状が見られる ・衛生感覚が独特で勝手に掃除をしようとすると怒る |
1-6. 過度なストレスで片付けたくても片付けられない心理
親しい人との死別やショッキングな出来事など、過度なストレスを受けたことで無気力状態になり、片付けができない状態の人も存在します。
このような状態では、ゴミが放置されていることや、部屋が汚れていることを認識しているものの、ゴミを片付ける気力が皆無になってしまっています。
またゴミ処理だけでなく、食事や洗濯などその他身の回りのこと全てに興味がなくなってしまう、「セルフネグレクト」と呼ばれる状態に陥っている可能性も高いです。
セルフネグレクトになっている場合は、本人は危険な状態であるとの認識が少なく、ほとんど状況を把握できていません。
自分からはSOSを呼べない状態に陥ってしまっているため、ただ単にゴミ屋敷になっているだけでなく、家の中で意識を失って倒れているなど、本人に健康被害が生じていることもあります。
なおセルフネグレクトについては以下の記事にて説明していますので、もし少しでも「当てはまるかも」と感じた場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
セルフネグレクトとは|高齢者だけでなく若者や女性も急増!原因と脱出方法を解説
よく見られる言動 |
・過去に悲しい出来事や喪失感を感じることがあり、そのことをずっと気にしている ・掃除だけでなく、食事や洗濯などその他のことにも関心がない |
1-7. 完璧主義で一度に片付けないと気が済まない心理
完璧主義で一度に片付けないと気が済まない人も、ゴミ屋敷になりがちです。
「完璧主義なら、家の掃除も完璧でゴミ屋敷になんてならないでしょう」と思うかもしれません。
たしかに完璧主義の人は仕事やプライベートに関わらず、何でも完璧にこなそうとしがちです。
しかし何でも完璧にこなそうとするあまり疲労が蓄積してしまい、人の目につくところだけを優先して、部屋の掃除がおろそかになってしまうのです。
また完璧主義の人は「とりあえずここだけ掃除をしておこう」といった中途半端な作業が許せず、全部を一度に掃除すべきと考えているケースも多いです。
本来であれば少しずつ片付けていこうと考えられるものの、一度に掃除をしないと気がすまないため、「この部屋は一日で片付けられるはずがない」と思い掃除に手がつけられません。
すると家の中が更に汚くなっていき、気がついたときには手がつけられないゴミ屋敷になってしまうのです。
よく見られる言動 |
・何事も完璧にこなさないと気がすまない ・家は汚いのに、服装など他の部分はきちんとしている |
1-8. 物を保管することで落ち着く心理
物を保管することで落ち着く人も、ゴミ屋敷になりやすいです。
周囲の人に、何でもストックを買っておかないと気が済まない人や、同じ物を2つ以上購入してしまう人はいないでしょうか。
もちろん、災害などに備えて物を備蓄しておくことは悪いことではありません。
しかし買い物の度に同じ物を購入したり、必要以上に物を買ったりすると、次第に家の収納キャパを大幅に上回ることになってしまい、家の中が散らかる原因となります。
上記のように同じ物を何個も買う・必要以上に物を買うなどの行動に当てはまる人は、「物を保管することで落ち着く」と考えていることが多いです。
物が家の中にあることで安心感が生まれ、更に物を購入し続けた結果、気がついたときにはゴミ屋敷になってしまっているケースも多いです。
よく見られる言動 |
・何でも同じ物を2つ以上買わないと気がすまない ・棚などにびっしりと物を収納している |
2.ゴミ屋敷になってしまう3つの要因
ゴミ屋敷の住人の中には、上記のように「自分ではどうにもできないこと」が原因で悩んでいる人も多く存在します。
片付けてと何度言っても聞く耳を持ってくれないご家族も、上記の心理状態に当てはまっているかもしれません。
ヒントは生活の中に隠れていますので、ぜひ今までの会話や行動を振り返ってみてください。
ただしそうは言っても、「何を考えているかは少しわかったけれど、そもそもどうしてゴミ屋敷になってしまったのだろう」と疑問を感じますよね。
ゴミ屋敷になる要因としては、「片付けに関するもの・身体的なもの・心因的なもの」の主に3つが存在します。
以下1つずつ解説しますので、要因についてもあわせて確認していきましょう。
2-1. 片付けそのものに関する要因
片付けそのものに関する要因 |
・片付けや掃除が苦手 ・仕事が忙しくて片付けや掃除に取り組んでいる時間がない ・片付け方を身につける機会がなかった |
片付けそのものに関する要因としては、主に上記のようなものが挙げられます。
ゴミ屋敷と聞くと、「片付けや掃除が苦手な人がなるもの」との印象が強いかもしれません。
片付けや掃除が苦手だと、頑張って掃除に取り組んでもなかなかきれいにならないため、作業が嫌になって放置してしまうことも多いです。
また、ただ単に作業が苦手なだけでなく、片付け方を身につける機会がなかった場合も、ゴミ屋敷になってしまいます。
たとえば実家もゴミ屋敷であったり、今まで自分で片付けを行う機会がなかったりする場合は、片付け方がわからず、不用品だらけのゴミ屋敷になってしまうケースも少なくありません。
ゴミ屋敷の要因は、住人の片付けについての能力や、片付けに対する意識も大きく関係しています。
2-2. 身体的な要因
身体的な要因 |
・加齢による認知機能の低下 ・病気などが原因による倦怠感や無気力 |
その他に、身体的な要因によりゴミ屋敷になっているケースも多いです。
身体的な要因としては、よく見られるものでは加齢による認知機能の低下が挙げられます。
たとえば、
- 毎週欠かさず行っていたゴミ出しの方法が急にわからなくなってしまった
- いつも部屋を片付けていたのに、最近はなんだか散らかり気味になっている
などの行動が見られた場合は、認知機能が低下している可能性が高いです。
どれも些細なことのように感じますが、認知機能が低下すると自分の身の回りのことが徐々にできなくなっていき、結果としてゴミ屋敷になってしまうのです。
また同様に、病気が原因で常に倦怠感を感じていたり、全てのことに無気力になってしまったりといったケースでも、ゴミ屋敷になりやすいと言えます。
ゴミ屋敷の原因になり得る病気については、「6.ゴミ屋敷になってしまう人の中には病気の人もいるので注意」にて詳しく紹介しますので、「病気かも?」と少しでも感じた場合は、先にこちらの見出しをチェックしてみてくださいね。
2-3.心因的な要因
心因的な要因 |
・人間関係の断絶や大きなストレス ・失業や転職できないなどの失敗体験 ・親しい人との死別やペットロスなどの喪失体験 |
一方心因的な要因としては、大きなストレスや喪失体験などが挙げられます。
今までは掃除や片付けに取り組めていたものの、ほんの少しのきっかけで、片付けに取り組めなくなってしまうのです。
日常生活に影響が出るほどの出来事により、掃除に手を付けられなくなってしまったと考えてください。
今までに大きな失敗やショッキングな出来事により、何もかも手につかなくなってしまった経験はないでしょうか。
心因的な要因がきっかけでゴミ屋敷になってしまった人は、この「何も手につかない」状態が長く続き、元に戻れない状態が続いていると考えてください。
すぐに回復できればゴミ屋敷状態は回避できますが、何もできない状態が長く続く場合は、次第に家の中が荒れていき、一人ではどうにもできない状態に陥ってしまうこともあります。
気がついたときにはゴミ屋敷になっているため、もう一人ではどうすることもできず、そのままゴミ屋敷に住み続けることになってしまうのです。
また喪失感を埋めるために買い物ばかりするようになり、次第に物で埋め尽くされてゴミ屋敷になってしまっているケースもあります。
よって心因的な要因でゴミ屋敷になった場合は、自分ではどうにかしたいと思いつつも、一人では立ち直れない状態で苦しんでいる人も多く見られます。
3.ゴミ屋敷に住んでいる状態から解放するために取るべきコミュニケーション
2章で説明した通り、ゴミ屋敷には複数の要因が存在します。
もし家族や周囲の人が、片付けたくてもどうにもできない状況で苦しんでいると考えたら、「一日も早くゴミ屋敷から助け出したい」と思いますよね。
住人をゴミ屋敷から解放するために最も重要な方法は、本人とコミュニケーションを取ることです。
少し意外に感じるかもしれませんが、ゴミ屋敷を一日も早く解消するためには、会話が欠かせません。
ここでは、聞くべきことや話す際の注意点について紹介します。
3-1. 住人と必ずコミュニケーションを取るべき理由
ゴミ屋敷の住人とコミュニケーションを取るべき理由は、ゴミ屋敷になった理由や原因・住人の気持ちなどがわからないと、ゴミ屋敷の片付けは困難であるためです。
ゴミ屋敷の解消には理由の把握が必須ですが、住人とコミュニケーションを取れない状況では、現状の把握はできません。
とは言っても、「え、ゴミ屋敷の解消にコミュニケーション?」と意外に感じるかもしれませんね。
たとえば、家族がゴミ屋敷に住んでいる場合について考えてみてください。
ゴミ屋敷になってからはあまり連絡をすることもなくなり、どのように過ごしているのかも把握できていないとします。
この場合、ゴミ屋敷になってしまった原因はわかっていますか?
また、住人がゴミについてどのように思っているか、何か生活の中で困ったことはないかなど、尋ねてみたことはあるでしょうか。
もし話をしたことで「寂しくて買い物をしてしまうことがゴミ屋敷の原因」とわかれば、会って話をする機会を増やしたり、一緒に買い物に行ったりすることで、ゴミ屋敷を解消できるケースもあります。
そのためまずは、住人が考えていることや、伝えたいことを聞く時間を設けることが重要です。
住人の気持ちや希望について話をした上で、今後の行動について一緒に考えていきましょう。
3-2. コミュニケーションの方法
上記のように、住人とコミュニケーションを取れば、ゴミ屋敷の解消に向けてやるべきことが明確になってきます。
ただしいきなり「ゴミ屋敷についてどう思っているの?」などと聞いても、住人も話しにくく感じてしまうため、思ったような会話を続けることはできません。
ゴミ屋敷の住人とコミュニケーションを取る際には、以下のようなことを質問してみてください。
ゴミ屋敷の住人に聞く質問例 |
・悩んでいることはないか ・生活をする上で困っていることはないか ・もし不要なものがあるなら、代わりに片付けてもいいか |
会話をする際に大切なことは、住人が困っていることや、できないことを明らかにすることです。
会話を通じて、ゴミ屋敷になってしまった問題点を探っていきましょう。
また一方的に質問をし続けるのではなく、ゴミ屋敷住人の立場になって「それは大変だったね」「つらかったんだね」などの相づちを入れると、会話が続きやすくなります。
無理に話をしようと思うのではなく、相手の状況を少しでも理解しようとの気持ちで取り組んでみてください。
3-3. 否定的な言葉は絶対に投げかけない
ゴミ屋敷の住人とコミュニケーションを取る際のポイントは、否定的な言葉を投げかけないことです。
ゴミ屋敷の住人と話をすると、「周囲の人はみんな困っているけど何を考えているの!」「早く家を片付けてよ」などと言いたくなるかもしれませんね。
しかしゴミ屋敷の住人は自分の家がゴミ屋敷であることを悩んでいるケースも多いため、否定的な意見を言われると、余計に気持ちが落ち込んで話しにくくなってしまいます。
また「何度言われても片付けたくない!」と会話を拒否されてしまうかもしれません。
そのため、基本的には聞き役に徹することを心がけ、住人の行動や意見を否定するような発言はなるべく避けましょう。
寄り添いながら、「会話」を続けることが重要です。
4.本人だけでは対処できない場合は一緒に片付けるべき
住人とのコミュニケーションの結果、ゴミ屋敷を片付ける方針で話が前向きに進むこともあります。
ゴミ屋敷の住人が家を片付ける気持ちになってくれたのであれば、これほど嬉しいことはないですよね。
ただしここで注意したいポイントは、ゴミ屋敷は本人だけでは対処できないケースも多いため、片付けは周囲の人が手伝った方が良いことです。
コミュニケーションによって把握できた要因を元に、住人に寄り添いながら一緒に片付けを進めて行きましょう。
たとえば、
・片付け方がわからずにゴミ屋敷になってしまった:一緒に不用品の整理からはじめる
・病気などの身体的な理由:明らかにゴミと判断できるものだけでも家族が処分する
といったように、その人が抱えている問題や要因にあわせた対処が重要となります。
家の中が「ゴミ屋敷」と言われるほどひどい状態になっている場合は、一人での片付けには想像以上に多くの時間や手間がかかります。
また片付けようと思う気持ちがストレスになり、余計に無気力状態になってしまうかもしれません。
そのため「本人が片付けると言っているから」と住人に任せっきりにせず、可能な限り周囲の人が手を貸してあげてください。
【ゴミ屋敷を片付ける手順】 とは言っても、「ゴミ屋敷の片付けって何をすればいいの?」とあまりイメージが沸かない人も多いかもしれません。 ゴミ屋敷の片付け手順について簡単に紹介すると、以下のような作業を全て行う必要があります。 このように見ると、かなり多くの作業が必要ですよね。 ただ単に「ゴミの回収」と言っても、搬出が難しい粗大ゴミが含まれていたり、ゴミの量が多すぎて一人では運べなかったりするケースも多く存在します。 そのため本人がやる気になったからと任せようとせず、なるべく周囲の人が片付けを手伝うことが重要です。 もし自力でゴミ屋敷を片付けたい場合は、以下の記事にてより詳しい手順を紹介していますので、こちらもぜひご一読ください。
|
5.一番良くないのはゴミ屋敷状態を放置すること
上記のように、ゴミ屋敷の片付けには想像以上の手間や時間がかかるため、周囲がサポートをしながら、できる限り早くきれいな状態に戻すことが重要です。
「本人も家を片付けるのを反対しているし、ゴミ屋敷に住めているなら、そのまま放っておいても大丈夫じゃないの?」と思うかもしれませんが、ゴミ屋敷を放置することには、想像以上に様々なリスクが存在します。
ゴミ屋敷を放置する主なリスクは以下の通りです。
ゴミ屋敷の放置リスク |
・ゴミやホコリによる火災の危険性 ・積まれたゴミの崩壊の危険性 ・ゴミによる健康被害の発生(ぜんそくやアレルギーなど) ・悪臭や害虫・害獣の発生(ゴキブリやダニ・ネズミなど) |
ゴミ屋敷の住人だけが被害を受けるのであればまだしも、ゴミ屋敷を放置したことで、周辺の人にも悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。
たとえば
・ゴミ屋敷が原因で発生した害虫が近隣の家に飛んでいってしまう
・生ゴミを放置したことで悪臭が発生し、家の周辺にまで匂いが出てしまっている
・積み上げられたゴミが崩壊し、道路にまでゴミが溢れ出てしまっている
・ゴミに火がつき、周辺まで火が燃え広がってしまう
などの現象が発生することで、周囲の人が多くの被害を受けてしまう可能性があります。
場合によっては、被害が発生したため、今すぐに片付けて欲しいと言われるかもしれません。
「ゴミ屋敷に住めているから大丈夫でしょう」と思わず、一刻も早く片付けに着手してください。
6.ゴミ屋敷になってしまう人の中には病気の人もいるので注意
「2.ゴミ屋敷になってしまう3つの要因」でも少し紹介した通り、病気が原因でゴミ屋敷になってしまった人も存在します。
もしかしたら、家族がゴミ屋敷に住み続けている原因は以下のような病気かもしれません。
ゴミ屋敷の原因となり得る病気と症状例 |
|
うつ病 |
無気力感 倦怠感 |
認知症 |
物忘れが激しい 今までできていたことができなくなる |
統合失調症 |
幻覚 注意力の低下 判断力の低下 |
強迫性障害(OCD) |
戸締まりやスイッチなどを過剰に確認する |
ためこみ症 |
物を捨てることに大きな困難や苦痛を感じる |
セルフネグレクト |
入浴や食事など身の回りのことをほぼしなくなる |
買い物依存症 |
一日中買い物のことを考えてしまう 物を買い続けてしまう |
もし少しでも「病気が原因かも......」と感じたら、早めに病院に行くことをおすすめします。
病院に行くことで原因が明確になるほか、場合によっては症状の悪化を防止できるためです。
病気の人がゴミ屋敷で生活をしていると、最悪の場合は死に至る危険性もあります。
たとえば認知症が原因の場合について考えてみると、つけっぱなしにした火がゴミに燃え移って火事になるなど、リスクが高そうだと感じられるのではないでしょうか。
病気が原因でゴミ屋敷になってしまった人の病状は、既にかなり進行している可能性が高いです。
ゴミ屋敷の原因となる病気は様々ですが、上記のような病気であれば、精神科や心療内科の受診がおすすめです。
もし本人を病院へ連れて行くことが難しい場合は、家族だけが受診して医師の話を聞くこともできますので、状況の悪化を防ぐためにも、病気を疑ったらなるべく早く病院を訪れてみてください。
なお各病気については、ゴミ屋敷の原因となる病気について説明した、以下の記事にて詳しく紹介しています。「本当に病気なのかな?」と感じたら、ぜひこちらの記事もご一読ください。 ゴミ屋敷に住む人の8つの心理|適切に対処する方法を解説
|
7. 自力や周囲のサポートだけでは解決が難しいなら迷わず業者に依頼しよう
もし「自分たちだけでは片付けは難しそうだ」と少しでも感じたら、迷わず清掃業者へ依頼することがおすすめです。
清掃業者はゴミ屋敷を片付ける特殊なノウハウを持っているため、自分たちでは片付けが困難だと判断したひどいゴミ屋敷でも、短期間で元の状態に戻すことができます。
ゴミが大量に積まれている場合は、無理をせずに業者を頼りましょう。
業者に依頼する最大のメリットは、自分では難しい害虫駆除や粗大ゴミ処理まで行ってもらえることです。
ゴミ屋敷のゴミの中には、お金のように重要な物が混ざっていたり、中身の入ったビンやペットボトルなど簡単には捨てられないゴミが入っていたりします。
そのため、ただ単にゴミを捨てれば作業が完了する訳ではありません。
業者に依頼すると、上記のような手間のかかる分別作業や、粗大ゴミの処分などの時間のかかる作業を全て行ってもらうことができます。
またゴミ屋敷に多い害虫や害獣の駆除も任せられるため、家の中がふん尿などで不衛生な環境になってしまっている場合でも、自分で作業を行う必要がありません。
ゴミ屋敷の片付けは、1Kであれば3万円程度から行っている業者も多く存在します。
次項では業者を探すおすすめの方法について紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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8-3. 急ぎの案件でも迅速に依頼できる業者を紹介
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当日の立ち会いは必須ではないため、ゴミ屋敷の住人を外に連れ出している間に部屋を片付けてもらうことも可能です。
「一日も早く大切な人をゴミ屋敷から救い出したい」とお悩みの場合は、ぜひ一度以下より業者を探してみてください。
9. まとめ
この記事では、ゴミ屋敷の住人に多い心理状態や、ゴミ屋敷になってしまう要因について解説しました。
ゴミ屋敷の住人は主に以下のような心理状態に陥っていることが多く、自分でも辛いと感じていても、なかなかゴミ屋敷から抜け出せずにいます。
また病気などの身体的・心因的な要因から、上記のような心理状態となり、ゴミ屋敷になってしまったケースも多く存在します。
ゴミ屋敷を一日も早く片付けるためには、住人とのコミュニケーションが欠かせません。
一方的に住人の意見を否定せずに、「何が大変だと感じているのか」「困っていることは?」などの質問をしてみてください。
ゴミ屋敷の放置には、他の病気にかかってしまう・近隣住民に迷惑をかけるなどデメリットしか存在しません。
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以下より、一度お近くの清掃業者をチェックしてみてください。
【監修者:一般社団法人事件現場特殊清掃センター】
特殊清掃業界の人材育成と料金体系の健全化に向けて設立された団体。「ゴミ屋敷」や「孤立死の現場」「新型コロナウイルスの除菌」など、特殊な対応が求められる現場において、適切な処置を実施できるよう「事件現場特殊清掃士」養成講座を通して正しい知識・理解を広める活動を実施。また、事件現場特殊清掃士が在籍する業者の法令順守や作業品質の監査も実施。全国各地の優良業者の紹介も担う。
公式HP:一般社団法人事件現場特殊清掃センター
【執筆者:みんなの遺品整理事務局】
東証プライム市場上場企業の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。
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