生前整理は業者に依頼できるのか、気になっている方は少なくありません。終活の一環として注目を集める生前整理。本記事では、生前整理の概要や業者のサービス内容、料金相場、業者選定のポイントまで詳しく解説します。生前整理を効率的に進めるために本記事を活用してください。

生前整理は業者に依頼できる?サービス内容や料金、優良業者の判断基準

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生前整理とは

生前整理の意味

生前整理とは、財産関係の整理を含め、存命のうちに身の回りを整理することです。

故人の死後にする「遺品整理」を、存命中におこなうことから対比されて「生前整理」という言葉になっています。

終活における生前整理では、具体的には以下のようなことをおこないます。

家財整理 家の整理整頓を行う
財産の整理 財産の把握・整理・譲渡を行う
不用品の処分 整理整頓で発生した不要なモノを処分する。
デジタル整理 SNSのアカウント、FXなどの口座、ECサイトで自動保存されているクレジットカード情報、月額料金が発生するサービスなどを把握・整理する
財産目録の作成 現在自分が所持している財産の一覧を作成する
遺言書の作成 上記の財産の処分に関する自分の意思を、法律で定められた形式に沿って記入する
エンディングノートの作成 デジタル整理で把握したアカウント情報とパスワードのセットや、死後の自分の希望をノートに記しておく

「デジタル整理」など、見慣れない言葉もあったかもしれません。デジタル整理について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてくださいね。

遺されたスマホはどうする?デジタル遺品・デジタル整理とは?

生前整理業者のサービス内容

生前整理業者がおこなうサービス

生前整理業者がおこなうサービスには以下のものがあります。

・身の回りの日用品 / 家財の整理整頓

・不用品の処分

・デジタル整理

・財産目録の作成

・遺言書の作成

一般的には財産の整理、エンディングノートの作成を除き、他の全ての作業に関しては業者に依頼できます。「全てを依頼する」というわけでなくとも、特定の作業のみを依頼することも可能です。

生前整理業者の料金相場

生前整理の料金は、間取りと依頼内容によって大きく変わってきます。例えば、生前整理アドバイザーのみの依頼であれば、1時間3000円~5000円/人が相場です。

では、専門の業者に生前整理を依頼する際にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。ここでは生前整理でおこなう作業項目ごとの費用の目安をご紹介いたします。

・身の回りの日用品・家財の整理整頓

・不用品の処分

これら2点に関しては通常の「生前整理サービス」として、まとめて依頼が可能です。費用の目安は以下の通りです。

間取り 作業人数 作業時間 費用目安
1R・1K 1~2名 1~2時間 約30,000円~80,000円
1DK 2~3名 2~4時間 約50,000円~120,000円
1LDK 2~4名 2~6時間 約70,000円~200,000円
2DK 2~5名 2~6時間 約90,000円~250,000円
2LDK 3~6名 3~8時間 約120,000円~300,000円
3DK 3~7名 4~10時間 約150,000円~400,000円
3LDK 4~8名 5~12時間 約170,000円~500,000円
4LDK~ 4~10名 6~15時間 約220,000円~600,000円

上記の表では部屋の大きさごとの料金をご紹介しておりますが、実際には片付けるモノの量や作業時間によって料金は変動します。依頼時には必ず見積もりの作成をしてもらいましょう。

・デジタル整理

デジタル整理はサービス別にかかる費用が異なります。

Windowsログインパスワードの解除 21,000円
パソコンのデータ移行 8,000円~12,000円
パソコン廃棄 8,000円
インターネットサービスのID、パスワード調査 15,000円
パソコン強制初期化 21,000円
携帯電話、スマートフォンのパスワード解除 20,000円

※この料金表は当サイト掲載業者マレリークのものです。

これらに加えて、デジタル機器を運搬する際の送料がかかる場合があります。また、一度に複数のサービスを依頼する際には、パック料金で割引がなされる場合もあります。依頼前には問い合わせをすると良いでしょう。

・財産目録の作成

料金:50,000~100,000円 

財産目録の作成費用は、その内容により上下します。財産の項目が多かったり、作成に時間がかかる複雑な内容になると、かかる費用が増加します。

・遺言書の作成

遺言書の作成にかかる費用の目安と、依頼先ごとの特徴は以下の通りです。

依頼先 特徴 費用相場
弁護士 法律の専門家であるため、法的な信頼度が高い。費用は高めだが、相続争い等、遺族間のもめごとにも対応できる。 100,000円〜300,000円
司法書円 不動産取引の専門家。遺言書の財産項目に不動産が含まれている場合は、不動産の特定を含めた遺言書作成を依頼できる。 70,000円〜100,000円
行政書士 比較的費用が安め。特に調査を必要としない簡素な遺言書であればもっともリーズナブルに依頼が可能である。 70,000円〜100,000円
信託銀行・信託会社 遺言書作成だけでなく、その保管・遺言執行も含めたサービス料金である。国家資格を有する士業とは異なり、担当者の質が重要である。 1,300,000円~1,800,000円

遺言書の作成にかかる費用は、内容、依頼先により大きく上下するようです。この表もあくまで目安ですので、ご自分のニーズに合った依頼先に見積もりを取るようにしましょう。

生前整理業者の料金実例

サイトみんなの遺品整理に掲載された優良業者の作業事例をもとに、費用の実例をご紹介します。

作業実例①:【関西】生前整理 エアコンや水回りの清掃も

作業現場 大阪府大阪市平野区
間取り 3DK
作業日数 4時間30分
作業人数 6名(男性4名、女性2名)
料金 220,752円

生前整理とともに、市営住宅の退去時に必須となる現状復旧作業も行いました。お母様の生前整理ということで、衣服や肌着などは女性スタッフが取扱いました。現状復旧作業では、エアコンの取り外し清掃や後付したカーテンレールの撤去、水まわりを含む清掃作業なども行いました。

※この事例は当サイト掲載遺品整理・特殊清掃プロアシストの事例です。

作業実例②:【関東】5DK+広縁+納戸 施設入所に伴う整理

作業現場 埼玉県川越市
間取り 5DK+広縁+納戸
作業日数 4日
作業人数 19名(1日約5名)
料金 640,000円

施設入所に伴い整理させていただくことになりました。通常のお宅では見かけない工具や資材が沢山あり加えて健康器具などもありかなりの多量現場でした。時計、アルバム、遺影、ポーチ、絵皿、毛糸の帽子など、捜索のご依頼戴いた品々もほとんど発見のうえお引渡しする事ができ、お喜び戴けました。

※この事例は当サイト掲載プライムハートの事例です。

生前整理のメリット

生前整理は自分の死後に向けて行うと考えている方が多いかもしれません。

しかし、生前整理によって得られるメリットは、必ずしも死後のものに限らないのです。

生前整理のメリットには以下の6点が挙げられます。

①死後に遺族にかかる負担を減らせる

前述の通り、死後に遺族がおこなわなくてはならない遺品整理やデジタル整理等の負担を軽減することができます。

②遺産相続のいざこざが少なくなる

遺言状をきちんと作成しておくことで自分の意思を明確に示すことができます。これによって遺族間での遺産相続のもめごとを減らすことができます。

③死後の希望を遺族に伝えられる

死後の葬式・供養・埋葬等に関する希望を遺族に伝えることができます。また臓器移植のドナーとなるか、ということに関しても自分の希望をきちんと伝えることができます。

④急な入院や不慮の事故の際に家族やパートナー、友人に助けてもらいやすくなる

自分の死後に限らず、不慮の事故に巻き込まれてけがをしてしまった際などにも、生前整理は役立ちます。保険などの各種手続きや金銭面の処理を家族やパートナー、友人に頼む際にも、重要な書類のありか、パスワードなどがわかっていればスムーズに助けてもらうことができます。言い方を変えれば、この場合も親しい人にかかる負担を軽減することができます。

⑤どこに何があるのかを把握できる

生前整理によって、身の回りのモノを整理するとモノの場所を把握することができます。日常生活においてモノの場所を探す手間が省けると、より気持ちよく生活ができます。また、何が家にあるのか、どこにあるのかを把握しておけば、既に家にあるモノを余計に買う必要もなくなり、出費を抑えることができます。

⑥本当に必要なものが何なのかわかる

生前整理は、今までの人生を振り返るよい機会となります。モノや財産の整理をすることで、今後の自分の人生に何が必要で何を大切にしたいのか、自分の心を整理することもできます。

生前整理業者を選ぶ際のポイント

優良な業者を選ぶ際に気を付けたいポイントは何でしょうか。下に挙げたものを参考にして、自分に合った業者を探してみましょう。

① 資格を保有している

民間資格ではありますが、生前整理アドバイザーをはじめ、ライフオーガナイザーや整理収納アドバイザーといった片付けのプロが、生前整理業者の多くに在籍しています。また遺品整理士という資格保有者も生前整理について精通している場合が多いです。

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②明瞭な料金体系である

信頼できる業者に生前整理を依頼するにあたって、料金体系が明瞭であるかは重要なポイントです。何にどれだけのお金がかかるのか、追加料金は発生しないのか等、見積もりの段階で料金をきちんと説明してくれる業者に依頼をするようにしましょう。

③ 相見積もりを通してスタッフと会ってみる

一番大切なのは、この人となら一緒に生前整理をしたいと思えるかどうかでしょう。このためには、複数の業者と相見積もりを取ってみるのがおススメです。3社を目安に訪問見積もりを依頼して実際に担当者や作業員の方と会ってみましょう。

生前整理業者の料金やサービスを見てみる

まとめ

生前整理には、ご遺族の負担軽減やご本人の希望を反映したできるなど、多くのメリットがあります。専門業者に依頼すれば、時間と労力を節約して効率的に整理できます。重要なのは、信頼できる業者選びと明確な見積もりの確認です。不用品の量や買取品の有無によっても費用は変動するため、複数業者から見積もりを取りましょう。

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【監修者:一般財団法人遺品整理士認定協会】

遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。

遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。

法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。

 

【執筆者:みんなの遺品整理事務局】

東証プライム市場上場企業の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。

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