終活は20代からも始める意味があります。多くの方が終活は高齢者のものと思いがちですが、若いうちから取り組むことでさまざまなメリットを得られます。本記事の内容をもとに、ご自身のこれまでを振り返りつつ、未来への準備を整えてください。

終活は何をすること?
終活の内容はほとんどが生前整理をすること
「生前整理」という言葉に聞き覚えの無い方もいらっしゃるかと思います。
生前整理とは、財産関係の整理を含め、不用品やデジタルデータなどを存命のうちに整理することです。故人の死後にする「遺品整理」を、存命中におこなうことから対比されて「生前整理」という言葉になっています。
生前整理ですること | することの主な内容 |
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家財の整理 | 家の整理整頓をおこなう。 |
財産の整理 | 財産の把握・整理・譲渡をおこなう。 |
不用品の処分 | 整理整頓で発生した不要なモノを処分する。 |
デジタル整理 | SNSのアカウント、FXなどの口座、ECサイトで自動保存されているクレジットカード情報、月額料金が発生するサービスなどを把握・整理する。 |
財産目録の作成 | 現在自分が所持している財産の一覧を作成する。 |
遺言書の作成 | 上記の財産の処分に関する自分の意思を、法律で定められた形式に沿って記入する。 |
エンディングノートの作成 | デジタル整理で把握したアカウント情報とパスワードのセットや、死後の自分の希望をノートに記しておく。 |
具体的に何をするのか、注意点は何かなど詳しく知りたいという方は、こちらの生前整理についての記事をご覧ください。
20代で終活をするのは早すぎる?
終活を始める年齢は自由
終活を始めるのに早すぎるということはありません。
早いうちから葬儀や保険などについて整理しておくことで、今から老後までにかかるお金について考えることができます。
また、自分の身にいつ何が起こるかわからない中、終活を通して死後の臓器提供や遺産相続などについて考えておくことは、年齢に関わりなく役に立つことです。
20代で終活をするメリット
終活をすることで、自分の死後だけではなく、現在にもメリットがあります。
20代で終活をするメリットには、以下の4点が挙げられます。
①時間とお金の節約になる
終活で身の回りを整理することで、どこに何があるのかを把握することができ、
日常生活においてモノの場所を探す手間が省けることで、モノを探すことに無駄な時間を使わずに済むようになります。
また、余計なモノを買う必要がなくなり、長い目で見て出費を抑えることもできます。
②将来の家族や自分への負担を軽減することができる
自身の死後に遺族がおこなう遺品整理や、各種サービスの解約など多くの手続きをする際、遺族の方々は契約先やパスワード等の情報を知らない場合が多いでしょう。
また、自分が老後に何かしらの手続きをする際も、契約先の情報全てを覚えてはいないかもしれません。
自分で前もって終活をしておくことによって、これらの手続きを少しでも減らし、将来の家族や自分への負担を軽減することができます。
③万が一の際に人に助けてもらいやすくなる
自分の死後に限らず、不慮の事故に巻き込まれてけがをしてしまい、意思疎通が難しくなった場合なども、終活は役立ちます。
保険や金銭面の手続きを自分でできない可能性もあるでしょう。
その際、家族や友人に頼むことになっても、重要な書類のありか、パスワードなどがわかりやすく整理されていればスムーズに助けてもらうことができます。
こういった「万が一」はいつ起こるかわかりません。20代に限らず、早くから終活をすることは、この「万が一」に備えるということでもあります。
④自分の心を整理することができる
終活は、今までの人生を振り返る良い機会になります。
20代のうちにモノや財産の整理をすることで、今後の自分の人生に何が必要で何を大切にしたいのか、早い段階で自分の心を整理することができます。
20代の終活で注意すべき点
ここまでは終活のもたらすメリットについて触れてきましたが、終活をする際に注意しなくてはならないこととして、以下の5点が挙げられます。
①セキュリティのこと
終活では、権利やお金、個人情報などに関連する大切な情報を扱います。
普段利用している各種サービスのアカウント名やパスワードを記入した書類を紛失、または情報が流出してしまった場合、パスワードや書類の再発行、最悪一度アカウントを停止するなど、余計な作業が発生していまいます。
こういったことを避けるためにも、大切な情報・証明書等は厳重に管理しましょう。
②法律のこと
20代で既に資産をお持ちの方は、ご自身の遺産の行き先を遺言状で指定するため、相続関連の法律について、確認することをおすすめいたします。
なぜなら、「遺言状」は遺書とは異なり、法律に沿った形式で記述しないと効力を持たなくなってしまうからです。
「20代で遺言状を書くのは早すぎる」と思われるかもしれませんが、特に下記に当てはまる方は、遺言状を書いておくことをおすすめいたします。
①不動産の処理など、相続する遺産の分け方が難しい
②法定相続分に応じてではなく、特定の相続人に相続を集中させたい
③もともと法定相続人ではない親族や友人、パートナーに遺産を渡したい
③親族に意思を伝えておくこと
家財の整理や、死後の意思表示を考える際は、しっかりと家族や親しい方と話し合いをしておきましょう。話すのに勇気のいる内容ではありますが、家族や親しい方はもちろん、何よりあなた自身にとって最も重要なことです。
自分の意思をしっかり伝え、家族や親しい人に相談しておくことで、後のもめごとを減らすことができます。また、あなたの死後にご家族、親しい方の間で何かを決める際の助けにもなります。
④無理にモノを捨てすぎないこと
終活を始めると、あれもこれも捨ててしまおうという気持ちが生まれて、本来必要なモノまで無理して捨ててしまう方がいます。
しかし、必要なモノまで捨ててしまうと、結果として捨てる前よりも生活が不便になり、本来かからなかった時間やお金というコストが余計にかかってしまいます。
あくまでも今必要なモノは残しつつ、「いつか使う」と思って使っていないものなどから処分することをおすすめします。
⑤お金のプランをしっかりと立てること
終活では、今後の人生や自分の死後に向けて備えるため、財産の整理をおこないます。
その中で、貯金や株式、保険など、将来に向けた資産運用について考える方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、現在の収入や、健康状況などを見たうえで、これから起こりうるライフイベントを予想し、いつどこでどのくらいのお金が必要になるかを考えてみると良いでしょう。
身の丈に合わない無理な貯金や、不要な保険に入って今の生活を圧迫してしまわぬよう、焦らずご自身に合ったマネープランを立ててみましょう。
まとめ
記事で紹介した通り、20代から終活を始めることにはさまざまなメリットがあります。若いうちから将来を見据えて準備することで、日々の暮らしにも余裕が生まれるでしょう。
「みんなの遺品整理」を利用すれば、専門スタッフへの無料相談や信頼できる片付け業者の紹介を受けることができます。ぜひ「みんなの遺品整理」にお問い合わせいただき、確かな終活を進めてみてはいかがでしょうか。
【監修者:一般財団法人遺品整理士認定協会】
遺品整理業界の健全化を目的に2011年設立。
遺品整理士養成講座を運営し、認定試験・セミナー・現場研修などを実施している。
法令順守をしている30,000名を超える会員、1,000社を超える法人会員が加盟。法規制を守り、遺品整理業務を真摯に行っている企業の優良認定、消費者保護のための遺品整理サービスガイドラインの制定もおこなっている。
【執筆者:みんなの遺品整理事務局】
東証プライム市場上場企業の株式会社LIFULLのグループ会社である株式会社LIFULL senior(ライフルシニア)が運営しています。2017年より業界最大級の遺品整理・実家の片付け業者の比較サイト「みんなの遺品整理」を運営し、全国で累計件数30,000人以上の皆様からご相談・ご依頼をいただいております。
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