事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社 LIFULLのグループ会社であり、実家の片付け・遺品整理業者比較サイト「みんなの遺品整理」を運営する株式会社 LIFULL senior(代表取締役:泉 雅人)は、「みんなの遺品整理」のユーザーを対象に「片付け業者への依頼検討における背景調査」を実施しました。
遺品整理や生前整理をはじめ住まいの大規模な「片付け」は、複合的な要因から自身でどこまで何をするべきか分からず作業を進められない方も多くいます。
片付けの専門業者はその片付けにおける選択肢の一つですが、本調査では「事前の片付けはせずに業者に一任したい」と回答した方が4割強ということが分かりました。
調査結果から浮かび上がってきたユーザーが業者検討の際に直面している状況と、業者を活用する際のポイントをプロが解説します。
- 1. 片付けは「事前の作業予定はなし」で業者依頼を希望する方が4割!「1日~3日程度」が3割に
- 一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏のコメント
- 2. 片付け業者に依頼したい作業1位は「家具・家電等、大きな不用品の処分」に。「不用品の処理」「簡易的な清掃」も上位に
- 一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏のコメント
- 3. 片付け業者への依頼理由1位「体力的な要因」はユーザーの半数が回答
- 一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏のコメント
- 4. 依頼予定の間取りは「4LDK以上」が最多、広さと依頼ニーズに相関性はなし
- 一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏のコメント
【調査サマリ】 |
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・片付けは「事前の作業予定はなし」で業者依頼を希望する方が4割!「1日~3日程度」が3割に |
【調査対象】 |
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調査期間:2023年12月1日〜12月27日 |
1. 片付けは「事前の作業予定はなし」で業者依頼を希望する方が4割!「1日~3日程度」が3割に
片付け業者に依頼したい片付けにおいて、ユーザー自身が事前の準備や作業日数の割合を伺ったところ「作業はしない予定」が42.4%と最も多い回答でした。
「1日〜3日」という回答が30.0%と続き、7割以上のユーザーが自身では大掛かりな作業の予定はなしで、業者への依頼を検討していることが分かりました。
一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏のコメント
少量の片付けをしても大きな値下げに繋がらないので、無理せずまとめて業者に依頼がオススメ
片付け業者は基本的にすべての家財において、整理から処分までを行えます。
依頼時に気になるポイントの一つである費用面に関して、依頼者が自力でできる範囲の少量の片付けをしたとしても、大きな値下げに繋がることはあまりありません。
値下げに繋がらないのであれば業者の作業前に無理にご自身で片付けず、まとめて対応してもらうというケースが多いように思います。
また、ご自身のお住まいではなく遠方のご家族の自宅の場合などには、片付けに出向くことも難しいため、値下げよりも業者に一任したいと思われる方も多いです。
もちろん、依頼される方の中にはご自身で少し作業を進められる方もいます。
しかし業者に依頼するほどの大規模な片付けともなると、まとまった時間が取れなかったり、方法が分からず手がつけられなくなったりし、途方に暮れてしまっていたという相談もありました。
2. 片付け業者に依頼したい作業1位は「家具・家電等、大きな不用品の処分」に。「不用品の処理」「簡易的な清掃」も上位に
片付け業者に依頼したい具体的な作業内容を伺ったところ、「家具・家電等、大きな不用品の処分」が65.5%と最も多く、「細かい不用品の処分」(47.2%)、「簡易的な清掃」(35.9%)と続き、ユーザーだけでは作業が難しい大型の不用品処分だけでなく、プロや多くの人手を必要としない不用品の処分や清掃などの比較的軽作業の依頼を検討している方が多いことが分かりました。
また、プロのノウハウやルートが必要な「金銭的価値のある物の売却」も32.4%が検討していると回答しました。
一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏のコメント
自治体のルールが異なる大型の不用品処分はプロに任せるとスムーズ。貴重品の捜索や売却依頼は業者のライセンスを確認!
「家具・家電等、大きな不用品の処分」や「細かい不用品の処分」が多い理由は、自治体により処分方法が変わること、回収にあたり事前の予約や指定場所までの搬出が必要で面倒な作業であること、からニーズが高まっているためです。
また、大きな家具の場合、高齢者や女性では搬出が難しかったり、作業に不慣れなことから搬出時に壁などを傷つけてしまったりするケースもあります。
片付け業者に依頼すると、これら処分方法の判断や搬出はもちろん、買取や清掃、貴重品・思い出の品の捜索まで依頼することが可能です。
しかし、一部の片付け業者においては行政から必要な認可を受けず無許可に営業したり、金品の盗難による窃盗罪で係争中だったりしています。
片付け業者に依頼を検討する際は、遺品やリサイクル品の取り扱いに知識を持つ「遺品整理士」が在籍しているかを確認することがオススメです。
法規制に基づいて対応するため、回収後の不法投棄や金品窃盗などのトラブルを避けることに繋がります。
『みんなの遺品整理』では、厳しい審査を通過した業者のみを掲載・紹介。ご自身で選びきれない場合は、対応方法のご提案、業者の選び方などをご相談いただけます。
3. 片付け業者への依頼理由1位「体力的な要因」はユーザーの半数が回答
片付け業者への依頼を検討するに至った背景について伺ったところ、「体力的に自分で対応することが難しいと感じた」が55.7%とユーザーの2人に1人が回答しました。
「精神的」な理由が38.6%、「技術的」な理由が37.1%と続きます。「何から始めるべきか分からないので一旦相談したい」という回答も35.7%となりました。
依頼検討の背景についての自由回答では、「体力的」と「技術的」などいくつかの理由や背景が複合的に絡み合う様子が読み取れます。
(自由回答の抜粋) |
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・怪我をしてからやる気がなく、物も多くて、どこから手をつけてよいのかが分からない |
一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏のコメント
高齢者やお体に不調がある方、片付けが苦手な方は無理せず業者にご相談を!
少しの家財であれば高齢者やお体に不調がある方でも、ご自身で片付けを行うことは可能ですが、住まい全体の片付けともなると、かなりの体力や時間が必要です。
一口に処分といっても自治体ごとにルールが設けられており、片付け以外に仕分けや分別にも労力がかかり、何日もかけて作業することになるため、集中力が切れて途中でケガをしてしまう可能性があります。
また、物が多すぎて途方にくれ、片付けを進めること自体が嫌になるケースも少なくありません。
最近では、「お仕事などの影響で精神的に追い詰められて片付けに手がまわらない」、「もともと片付けが苦手」ということで依頼を検討する方も増えています。
身体の状態に不安や片付けの苦手意識がある場合は、ご自身だけで無理に解決しようとせず、業者へ見積依頼だけでもしてみてください。
4. 依頼予定の間取りは「4LDK以上」が最多、広さと依頼ニーズに相関性はなし
片付け業者への依頼予定の間取りについて伺ったところ、「4LDK以上」が25.2%と最多、「1R・1K」(20.6%)、「3DK」(16.8%)、「2DK」(15.0%)。
「3LDK」(9.4%)という結果になりました。依頼ごとでの間取りには際立った特徴がない結果となり、部屋の広さと業者依頼検討の相関関係はあまりないことが分かります。
一般財団法人 遺品整理士認定協会 長谷川正芳氏のコメント
お部屋の広さに関わらず業者依頼は可能。立ち合いが難しいご実家の片付けも相談できます!
近年、核家族化やライフスタイルの変化に伴い、家事代行など家の中の作業に関するさまざまなアウトソーシングが登場し「片付けにおいても業者へ依頼する」という考えの方が増えてきています。
お部屋が広いからと言って依頼するというよりは、お仕事や育児、介護が忙しいことにより時間が取れず、業者を検討されているように見受けられます。
今回の調査では、「2DK」の割合が15.0%を締めています。
現在の物件ではあまり見られない「2DK」の方が多い背景には、1980年代に浸透した団地などに多い間取りであることが考えられます。
高齢のご両親が団地などにお住まいで、お子さんが生前整理や遺品整理として依頼するケースも多いです。
片付け業者の中には見積もり時の立ち会いのみで作業日は立ち合い不要という事業者も多いです。遠方のご実家だからと諦めず、ぜひいくつかの業者に相談してみてください。
監修者
一般財団法人遺品整理士認定協会
常務理事兼事務局長 長谷川正芳
ペット産業・建築不動産業を経験し、現職に至る。現在は一般財団法人遺品整理士認定協会で遺品整理の現場や対応方法について専門家を育成すべく「遺品整理士養成講座」を開講。ご遺族に寄り添う遺品整理士を育成し、遺品整理業界の健全化のため、活動を進める。
公式HP:一般財団法人遺品整理士認定協会